アメリカの心臓外科医はCardiothoracic SurgeryのTrainingを受けています。

日本はCardiovascular Surgeryになります。少し違う。

 

私も日本にいたときはよくStentgraftを施行していたのですが、

アメリカに来てからその機会は激減しています。

まぁ、Attendingや、施設の方針によるのでしょうが。

シカゴではVascularがTEVAR/EVARを施行しているようです。

 

今回久しぶりにStentgraftの論文。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33358103/

Silent Brain Infarction After Endovascular Arch Procedures: Preliminary Results from the STEP Registry

 

ArchにTEVARやったcaseのSilent Brain Infarction (SBI)の話。

Silentということで、症状なしで、術後のMRI DWの結果がどうなったか。

 

Deviceのde-airに、CO2と生食を用いているようでした。

僕が日本でやってた頃は(4年くらい前)、生食のみでした。

AirがSilent Brain Infarctionの一因ということらしい。

 

91 caseで、

 

Zone 0: 25%

Zone 1: 11%

Zone 2: 52%

Zone 3: 12%

 

Endograftのtypeとしては、

 

Branched: 25%

Fenestrated: 17%

Tubular: 58%

 

Zone0-2のcaseの80%はlt. SCAのre-vasculariseをされていると。

 

結果として、45 case、50%がSBI+。

Infarction AreaとしてはLeftが60%、中大脳動脈が最多、38%。

 

左総頚動脈がSourceとしては最多ということでしょうか。

 

この商売をしていて最も残念なのが脳合併症。

Dr. Oも一緒に仕事していて非常にnervousだなと思います。

 

SBIでもdementiaやfuture stroke、cognitive impairmentの予後因子になるそうです。

 

このStudyでは、全症例でのneurologyの評価はしていません。

 

正直、Air Embolisationよりも動脈硬化性の塞栓が飛ぶのが多いと思われるし、

CO2使用の効果については不明かと思います。

 

50%がSBI合併か。

高いな。

 

現在TEVAR/EVARの世界がどんな感じになってるのか、分かりません。

このpaperでもfenestratedや、branchedのものが使用されているようです。

Deviceの進歩は早いのでしょうが、根本的に動脈硬化そのものを治療しているわけではないのでね。

 

開心術の術後もMRIやったりしたらいろいろ見つかるのかな。

なんてことを考えてしまいますな。

 

March 7, 2021

AN