さて、本日の論文は、

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32540169

Long-term Fate of Dilated Ascending Aorta after Aortic Valve Replacement for Bicuspid Versus Tricuspid Aortic Valve Disease

 

韓国からの論文。

American Journal of Cardiologyです。

 

少し、Ascending Aoがdilatedしていた場合に、AVRだけやったらどうなるのという話。

Bicuspidと、Tricuspidで比較してる。

 

1995年から2015年までのAVRした1127 casesのうち、上行が拡張 (40-55 mm !!)していて、AVRのみやった259 casesの検討。

TTEでAsc. Aoが40 mm以上だったらCTで計測している。

 

Marfanとかのconnective tissue diseaseとかは除外してる。

Bicuspidが105例 (group BAV)、Tricuspidが159例 (group TAV)でしたと。

そして、propensity matchingした98例も比較検討してる。

 

Operative Dataは両郡で特記すべき差なし。

Follow upは100 %で、mean 106 months

術後はTTEでAsc. Aoの計測してます。

 

結果として、両郡で、ASc. Aoのdilationに有意差なし。

Mortality etcの長期成績は下の表。

 

  Survival Freedom from Cardiac death Freedom from Aortic event
  5y 10y 15y 5y 10y 15y 5y 10y 15y
BAV 97.1 91.7 81.4 99.0 99.0 96.2 100 98.1 98.1
TAV 95.4 86.5 74.2 99.2 99.2 96.7 99.3 99.3 95.0

 

有意差なし。

Cox解析で、術後のAortic eventに関しては、Bicuspidはrisk factorではなかったと。

risk factorは術前のAsc. Aoのdiameterだったと。

 

Aortic eventは6例、dilatationが3例、dissectionが2例、re-AVRの時に上行も変えたのが1例みたいです。

このStudyではなぜかAoが45 mm以上でも手術してない症例があって、それらがでかくなったということかなと思います。

 

結果として、ガイドライン遵守が勧められるということかもしれません。

 

40-45 mmのときは、患者さんの背景等を考慮して総合的に判断ということでしょうか。

遮断で行くか、循環停止にするか等、ありますので。

 

March 24, 2021

AN