QB(クオーターバック)といえばアメリカンフットボールの花形のポジションです。パス、ランすべてのプレー選択に関わるので、いいQBがいるかどうかはチームが強いかどうかに大きく関わります。私はアメリカンフットボールには詳しくなかったのですが、こちらに来てからはまわりの盛り上がりにもつられてよく見ています。最近はカンザスシティ・チーフスを応援していますが、チーフスのQBマホームズはときどき規格外のプレーでファンを楽しませてくれます。

 

病院でもQBにちなんだ表現はいくつかありますが、例えば夜間や前日の担当していた医師のマネージメントについて朝になってからああすればよかったのではないか、とあれこれ言うことを “Monday morning quarterbacking”ということがあります。他にも複雑な患者さんでたくさん他科のコンサルト(併診)がかかってしまい、”who is my doctor? “と混乱してしまっている患者さんに対して、プライマリで診ているチームが “We are the quarterback”と表現することがあります。

 

循環器フェローの中にひとり、一緒に働くとCCUがかなりスムーズにまわるなという印象のフェローがいます。まわりがよく見えてリーダーシップがあるからだと思っていたのですが、聞くと彼は学生時代にアメフトをやっていてQBをしていたそうです。学生時代にアメフトをやっていたという医師やレジデントと働くことは時々ありますが、QBをやっていたという医師とはあまり出会ったことはなかったので、これがQBになる人の素質なのかもしれないと思いました。

 

彼は学生時代の試合中、相手チームのディフェンスの選手からのタックルを受けて右手を骨折してしまいました。そのタックルをした相手と最近思わぬところで再会したのですが、その相手とは私たちのカテ室で働いていたナースでした。正当なタックルだったとはいえ、そのときのことは謝ってもらい、普通に仲良くしているそうです。