皆さん、こんにちは。Team WADA学生メンバーの市川理惠と申します。このblogで紹介している「Study with Ns Rossi」という企画では、イギリスの国立ロンドン大学で勤務されている(かっこいい!)専門看護師のロッシ真由美先生に、医療面接の練習をしていただいております。

 

本日のお題はこちら。

 

あなたは小児科医です。外来に来た次の患者に以下のタスクの内容を行いなさい。

患者:敗血症の12歳の女の子(と同伴する心配そうな母親)

タスク:問診、看護師への検査オーダー、子供と同伴した母親への説明、team consultantへの報告

 

今回のレッスンにあたり、私は医学的な知識や英語表現を事前に学習しました。『病気が見える』を参照して敗血症のスコアリングと診断方法、治療の方針を学び、患者へ説明すべき項目をリストアップした後に、英語での表現方法を調べました。

 

医療面接が終わったあと、Rossi先生から多くの助言をいただきました。

 

基礎医学では、アモキシシリンが肺炎治療の第一選択薬であり、敗血症の原因には尿路感染症(UTI)やけがなどさまざまなものがあると教わりました。この話から、医学部3年生でもまだ知らない知識が多いと気づきました。

 

臨床判断としては、敗血症患者では脱水を考えてすぐに補液を指示し、重症ならICU搬送もためらわないことが大切だと学びました。ただ診断名を付けて終わるのではなく、問診で関連症状や重症度を確認し、状況に応じて素早くオーダーを出せる力が必要です。

 

医療コミュニケーションの面では、相手に合わせた言葉選びが重要だと感じました。今回の演習では、子ども・母親・看護師に対して説明の仕方を変える必要がありました。また、思春期の患者には年齢に合った対話を行い、母親の心理的負担を理解すること、病気が学業や生活に与える影響も考えることが大切だと実感しました。

 

説明技能に関しては、SBAR toolを教えていただきました。患者の情報を看護師やTeam consultantに伝える際に、Situation, background, Assessment, Recommendation or Requestの順で説明すると良いそうです。系統立てた説明をすることで、漏れなく十分に伝達することが可能になると言います。今回の患者に関しては、

S:The patient reports a chest infection and a high temperature, is now suffering from drowsiness.

B:She is a 12-year-old patient that has the chronic bronchitis and asthma.

A:She has a temperature of 39 degrees Celsius, blood pressure has dropped from SBP 135 to 95, sinus tachycardia is 120, SpO2 dropped from 98 to 95%. Her respiratory rate is over 20p/minutes. I am concerned that she may have sepsis and that her conscious level is getting worse.

R:I would like to search for the causes of infection and the severity of sepsis. Could you please obtain two sets of blood cultures, routine blood work, a urinalysis with culture, a portable chest X-ray, a serum lactate, and an arterial blood gas?

と話せばよいでしょうか。確かに、情報を凝縮し、効率よく伝えられそうです。(書きながら、お題文がSBAの順に沿っていることに気づきました笑)

 

それ以外にも、先生の地元、大分県のお話(ちりんちりん消防車)や、BBCプロムスの楽しみ方、レッスン日の翌日に開催されたユーロビジョンコンテストの紹介などをお話くださいました。先生の教養の深さと面白く語れるトーク力を目の当たりにし、尊敬の念を覚えた時間でした!Rossi先生、またよろしくお願いいたします!