さっそくですが、ベルギーで仕事を開始して1か月強経ちましたのでおしごとについて少し触れてみます。
準備編は少し書くのに気合が必要なのでまた今度にさせてください。
僕の留学先での身分はclinical and research fellowです。
で結局なにしているの?となると思うのですが、実験と手術いずれにも参加しています。
仕事開始して一か月は実はBossが夏休みであったため手術室へ入るための許可が下りず(手続きで相当泣かされました)、毎日Labo勤務となっていたので今回は実験に関して少し触れてみます。
実験といってもマイクロピペットや、ほにゃららアッセイなどをやる実験ではありません。
いかんせん心臓外科医の実験なので、手術をします。
具体的にはヒツジ・ブタ・ウシといった大動物にVAD(心室補助装置)やECMO(体外式膜型人工肺)や人工心臓や心臓の弁などを植え込むという実験がほとんどです。
なので実験してる、といっても「ヒト」に対してではないだけで、毎日手術に参加しています。
留学先の実験のスタンスとして、僕たち外科医は「手技、および知識・ノウハウ」を提供し、企業が「製品・新しいモノ」を提供するという医工連携型の研究によって科研費を取得し多くの実験を行っている模様です。(完全に私見です)
ここ一か月では企業が絡んでいないものはPhD studentの実験ぐらいでした。
当グループのBossであるProf. Bart Meynsは人工心臓・補助循環の権威であり世界中からたくさんの企業が日々出入りし新しい製品を持ってきてはそれを試すという実験を行っています。
ベルギーは動物実験に関しての規制が他のヨーロッパ各国と比べ少し緩い(ほんとでしょうか?)らしく、お隣ドイツ・フランス・オランダもといアメリカや本当に世界中の企業とコラボレートすることが多いです。
実験中のBossの口癖が、「今日はinternational teamだね~。ベルギーと、ドイツと、日本と、〇〇だね(国名を全部言う。)。じゃあはじめよっか!」といったいい感じで毎日ワールドカップみたいです。
僕は日本ではビーグル犬(8-10kgほど)を用いて実験をしていたのですが、こちらにきて使用している動物の大きさに大変衝撃を受けました。
ヒツジ・豚は60kg-70kg程度、牛に至っては130kgありました。
みなさん一度はwet labなどで豚心臓など使用したことがあると思いますが、人間の心臓ととても良く似ています。
使用するデバイス・観察期間によって実験を行う動物を変えています。
ヒツジ
ウシ
ウシ・ヒツジ・ブタのルート確保・挿管・CV挿入、そしてsacrificeでの心肺摘出に関してかなりの数をこなしたので今おそらく日本人の中では10本の指に入る気が勝手にしております。
日本と比べて手術室とLaboの垣根がほとんどないのもとてもびっくりしました。
ほとんどのattending以上の外科医が自分の基礎研究のprojectを走らせており動物実験も行っています。
午前小児の開心術して、午後ヒツジにVAD入れて、なんて日もあります。
世界のtopの人たちはこうやって仕事をしているんだ~!!と大変衝撃と刺激を受けました。
実験に関しては留学中にぜひ自分のprojectが始められればと考えています。
下は2019年5月に挨拶に来た際に前任の安田章沢先生と実験助手のdavidとLaboで撮った写真です。
davidは100kg近い大動物をひょいっと持ち上げて手術台に乗せる、アメコミにでてきそうな優しい方です。またブログにも登場すると思います。
安田先生とdavid
それではまた!
Tot ziens!!
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