Team Wadaのブログを拝見されている皆様、はじめまして。山口大学医学部医学科6年のKanaです。Team Wada学生インターンの活動の一つにClinical Dojo Advancedという勉強会があり、今回は2023年の最終回バージョンを迎えたのでご報告をさせていただこうと思います。

 

そもそもこの勉強会を始めた最初のきっかけは、米国を目指す方ならご存じの方も多いかもしれない、”The Clinical Problem Solvers (https://clinicalproblemsolving.com/)” に感銘を受け、日本でもそれをやってみたいと思ったことがきっかけです。*ビデオも多く上がっているのでよかったら一度見てみてください。

 簡単に説明をすると、その日の担当の生徒が経験した症例を提示し、それに対して参加してみるメンバーがディスカッション通じて理解を深めていくという勉強会です。ですが、とにかくそのディスカッションのテンポが速い、そして密度が濃い!参加している学生は国も地域もバラバラなのですが、個々がもつその圧倒的知識に触れ「このままではまずいかもしれない・・・」と焦りを感じました。

 

もともとACP Japan (米国内科学会 日本支部)でお世話になっていた野木 真将先生(ハワイ州クイーンズメディカルセンター ホスピタリストグループ ホスピタリスト 兼 亀田総合病院総合内科部長)に頼み込み指導をしていただけるようにお願いをしたのですが、初回は本当にひどいものでした。英語でディスカッションをするにも形式もわからず、臨床推論の進め方さえ分からない。もとより英語でディスカッションすることに対して照れもあり、発言は1人2人程度、忙しい中指導をお願いすることに申し訳なささえ感じました。

 

 しかし、米国を目指す学生はこんなにも多くいるのに、実際に英語でプレゼンをする機会さえもなかなかない現状をどうしても変えたいと思い、共にClinical Dojo Advancedを盛り上げてくれる優秀な仲間を見つけどうにか一緒に運営してくれるように頼みこみました。

 

 大事なのは英語力ではなく、どう疾患についてアプローチをしていくか、そして自分が渡米するにあたりなにが今足りていないものがなにかを認識すること。学年も違えば英語力やそこに対してのconfidenceがまちまちである中で、どうすれば参加してくれたみんなが自信を失うことなく、少しでも時間を共有してよかったと思えるか、勉強会のMission, Value, そして進め方も改めて試行錯誤した1年でした。

 

 勉強会の前には、PBL (Problem Based Learning) の方法を説明し、症例に対しての知識を再確認する学生だけの会を開きました。勉強会開催前には、自分のゴールと足りていないところをアンケートに記入してもらうことにより、運営側でフォローができるように工夫をしました。そうすると不思議なことに変化が現れるようになりました。参加してくれる人数が増え、発言の内容も当初の倍以上(所感ですが)、スピードも圧倒的に早くなりました。苦手意識のあるSemantic Qualifier や身体診察はまだまだ改善が必要ですが、少しだけ兆しが見えたように思えます。(何度も言いますが身体診察やPresentationはまだまだです・・)

 

留学の道は過酷だと経験された多くの先生方がいいます。昔私は、「渡米を成し遂げた人はどんな人ですか?」とある講演会で聞いたことがありました。その時に登壇をされていた先生は、「渡米をあきらめなかった人だ」と答えていらっしゃいました。

 

 Clinical Dojo Advancedを始めてから約1年半、英国へ臨床留学を目指しその切符を勝ち取った学生、Step1の合格をした学生、Observer shipを控えている学生、それぞれが目標に向かい少しずつ歩き出しています。留学するにしろ、しないにしろ、高みを目指し勉強をできる友人がいるこの環境は素晴らしいなと感じます。

 

TeamWadaを通じてこのような会を継続できていることに、野木先生、TeamWadaのメンバーの先生方、そして参加してくれる学生に心から御礼申しあげます。

 最後にいつも温かくも厳しいご指導をしていただける野木先生の言葉でこのブログを終わろうと思います。~渡米をするなら周囲に引かれるくらい勉強をして、してしまくって抜きんでろ~

 

△運営メンバーによる学生勉強会の様子。Takuma いつもありがとう!

 

△問診から得た情報のほんの一部

 

Mrs. Margaret is a 74 yd obese lady, presenting with subacute, constant mild positional right temporal headache followed by right binocular diplopia and tinnitus. Her neuro exams show isolated unilateral CN6 palsy and allodynia on right temporal area, but otherwise intact.”

△まだまだ野木先生のProblem Representationには追い付けない・・・

 

△今回の症例は diplopia (複視)だったので、解剖的視点から、monocular と binocularの違いを勉強してみました。

 

 

 

△2時間経過した勉強会の最後は、くたくた・・