こんにちは。学生メンバーの鳥居です。

私は5年生から6年生の選択実習の期間にイギリスの産婦人科で1ヶ月、アメリカの内科で1ヶ月実習を行いましたので、その体験記を数回に分けてTeam WADAのブログに寄稿したいと思います。まずはイギリス編です。

 

留学先:イギリス オックスフォード Oxford University Hospitals OBGYN

期間:4週間

 

◯留学先の決定

私は元々イギリスに短期留学をしてからイギリスが大好きで、NHSで働くことも視野に入れていたため、イギリスで実習をしたいと思っていました。実習先を探し始めたのは4年生のCBTが終わったあたりで、幸運なことに連鎖的に人との繋がりができ、最終的に上記の受け入れ先に決まりました。この2カ国の留学で学んだことの中でも最も大きいことの一つとして、人との繋がりの大切さをこの段階でも学びました。

 

◯スケジュール

私が主に実習を行ったオックスフォード大学病院はWomen’s Centreという産婦人科だけで7階建ての建物を持っているくらい大きな産婦人科病院で、毎日同時並行で外来から分娩、オペまで色々なことが行われていました。そのため、私の実習内容も毎日同じではなく、今日は外来見学の日、今日はDelivery SuiteでConsultantのシャドーイング、今日はオペの日などさまざまでした。さらには、Early Pregnant Assessment Unit(EPAU)といって妊娠初期の流産の対応などを行う場所や (妊婦さんと同じ病院にならないようCommunity Centreの一角に作っているという工夫)、婦人科癌やSexual Health等を中心に扱う病院はまた別にありました。数日はそういった病院で実習もさせてもらったり、Night Shiftにも参加させてもらったりしました。

 

以下はとある1週間の例です。

月:(AM/PM)分娩エリア(分娩の診察、帝王切開の参加等)

火:(AM)妊婦検診 (PM)産科病棟

水:(AM)ウロギネ外来 (PM)婦人科オペ

木:(AM)流産外来 (PM)EPAU

金:(AM)婦人科病棟 (PM)子宮内膜症外来

 

◯実習の感想

今回の実習で感じたことは本当にたくさんあるのですが、中でも印象に残ったところをここに記します。

 

―患者さんだけでなく、スタッフも多国籍

―Work life balanceが取れていることが多い

―専門研修が長い

―日本とイギリスの産婦人科医療の違いを感じられた (助産師さんの権限が強い、Home birthが未だに3~5%ある、専門外来の専門性の高さ、夜勤の大変さ等)

―NHSという100%公的な医療制度によるメリット、デメリットを感じた

<メリット>

-全てタダで診療が受けられる

-患者さんの負担が少ない、診療する上で、使う治療薬やオペの種類、日本でいうところの保険適応というのを考えなくていい(後述するがこれはデメリットでもある)

-GP制度で、産婦人科は専門性の高いことを中心に行える

<デメリット>

-待ち時間が長い(外来も、オペを受ける時も)

-薬がタダでもらえてしまうので、薬のコンプライアンスが悪い人も

-原則、国が認めている治療しかできない

 

医師だけでないスタッフの人も親切にしてくれて、全体的にアットホームな雰囲気で毎日楽しく実習ができました。もちろん病院や科にもよると思いますが、スタッフ同士がすごく仲良しで、休憩をしっかりとるという考えの人が多く、毎日コーヒーとお菓子をもらっていました。そのくらいの心の余裕を日本でもずっと持っていたいなと感じました。

手技、英語での医療面接、診療に携わることで自分自身も成長ができて、進路についても自分はこれがやりたいんだ、これは自分には合っていないと考えることができたいい経験になりました。

 

◯番外編

私は、元々イギリス、ヨーロッパが大好きで、この実習でより好きになりました。

実習が1月の頭から始まったことで次の日本での実習との間に1週間ギャップがあったのでその期間にヨーロッパを旅行したり、土日もスコットランドに行ったりしました。

また、オックスフォードの医学生も仲良くしてくれて、一緒に飲みにいったり、ホームパーティに誘ってもらったり、ハリーポッターのロケ地を案内してくれたりと、人との繋がりの素晴らしさをここでも感じました。

 

↑主に実習をしていたOUH John Radcliffe Hospital Women’s centre

 

↑Oxfordのシンボル Radcliffe Camera 
ここに全世界の書物が集まります。