諸々の事情により間が空いてしまいました。

No Excuseです。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33017209/

Long term results of the RAPCO

Circulation

 

この手の、CABGについてのdiscussionも、もう大分昔から続いていますね。

Radial Artery  (RA)の話

 

on pump vs off pump

arterial graft? or saphenous vein?

RIMA? or RA? or SV?

等々

 

LIMA-LADはCABGの鉄板。

今回は2nd graftをどうするかの話。

RAPCO (Radial Artery Patency and Clinical Outcomes) trialというAustraliaのRCT。

RAに関するRCTは初めて。

 

Free RITA vs RA、RA vs SVの10年でのpatencyの比較。

1996年-2005年に行われた手術の結果、Angio/CT-Angioでの比較。

全てAsc. Aoに中枢吻合している。

RAはopenでharvest、もちろんpre-opeのAngioに使用されていない。

 

結果として、K-Mは、

  Graft Patency Mortality Death, MI, re-intervention
Free RITA vs RA (N=200) RA RA RA
RA vs SV (N=100) RA RA、6年ほどで逆転 RA

こんな感じ。

RAの結果が大分良好という結果でした。

太字は統計的な有意差。

 

Free RITA vs RA

 

200程度のcaseで比較

mean Age 60

DMは10 %程度

TargetとしてはLCXが6-7割位

mean f/uは7.1 years

 

PatencyはRA 89 %、Free RIMA 80 %、SurvivalはRA 90.9 %、Free RIMA 83.7 %で両者有意差出てる。

 

RA vs SV

 

100程度のcase

mean Age 70

DMは40-50 %

Targetは同じLCXが6-7割、RCAが3割

mean f/uは6.1 years

 

PatencyはRA 85 %、SV 71 %、有意差なし。SurvivalはRA 72.6 %、SV 65.2 %、有意差なし。

 

このStudyみて感じたのは、まず、大分昔の手術ということ。当たり前ですが。

Graftの本数は両方とも3.0±1.0程度。

Single CenterでSurgeonは4人だったかな。

 

結果としてはRAの成績が大分良い。RA vs SVで有意差が出なかったのはサンプル数の関係もあるかもしれない。

自分の印象としては、Free RIMAで中枢吻合はどうかなと。グラフト径が大きい時には良いと思いますが。

あと、やっぱりIMAの方が弾性繊維は多い、縫っててわかるくらい差がある。

この結果は意外。Free RIMAでAsc.Aoに中枢側吻合が影響したんかな?とは思いますが。

RIMA vs RAなら、少なくとも同等の結果は出てもいいと思います。

 

SVの成績も悪くはない。10年で70 %開存ならよいと思います。

 

あと、この手のStudyの難しいところは、CABGはsimpleな手術ではありますが、

caseによって血管の状態や、病変の複雑さ etcが違いすぎるところかなと。

patencyに影響する因子として、graft、中枢側吻合、末梢側吻合、perfusion areaとかありますしね。

現場ではin-situでいけたり、Freeにしなくちゃいけないとかね。あとはgraftのqualityもあるしね。

 

そういえばRadialに関してのPaper読んでないな、と思いました。

 

March 13, 2021

AN