もう終了した感のあるon-pump、off-pumpの話。

前回に引き続き、Emoryで勧められていた論文。

2009年か、もうだいぶ前の話ですな。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19890125/

On-pump versus off-pump coronary-artery bypass surgery

N Engl J Med

 

いわゆるVA Hospital(Veterans Affairs)でのROOBY Trialの結果。

ROOBYは、Randamized On/Off Bypassの略。

 

2002年から2018年までにアメリカのVA Hospital18か所で行われたようです。

urgent/elective CABG 2200例を2グループに分けたみたい。

diffuse disease、significantなvalve disease付きの症例はexclusionしているみたいです。

 

primary end-pointは

・30日、入院での死亡、重症合併症

・30D-1YでのMIとかrepeat revascularization

 

secondary end-pointは

・graft patency

・neuropsychological testの結果

 

meanで62yo、maleがほぼ全員、VA Hospitalだからな。

RCTということで術前のcharacteristicsは変わりなし。

electiveが85%、DMは40 %、Cr>1.5は8 %位、3割はsmoker、心機能もよさそう。

6割がたのEFはnormal、65%は3枝病変。

ま、simple caseということでしょうか。

 

違いがあるのは下の表。

  Off-pump On-pump
Resident was  primary 55.4 % 64 %
conversion 12.4 % 3.6 %

まぁ、VA Hospitalということで、residentがmainでやってる。

コンバージョンはOff-pump CABGで12%、やや多いな。

 

で、outcomeでは下の表。

  Off-pump On-pump
Death in 30days 1.6 % 1.2 %
Stroke 1.3 % 0.7 %
New mechanical support 1.5 % 0.8 %
1 Yr composite 9.9 % (p=0.04) 7.4 %
Death from cardiac causes in 1yr 2.7 % (p=0.03) 1.3 %

earlyは、概ね有意差なし。

1Yr compositeはDeath (all cause) + nonfatal MI + revascularizationのこと、

短期は差がないが長期ではOn-pumpの方が良好。

で、1年でのAngioでの結果は下の図。

両者とも6割くらいでAngioやってるみたい。

 

こちらも、On-pump Groupで良好な結果。

neuro-psychologicalの結果も両者で差は無し。

 

概して、Off-pumpの優位性は認められなかったという論文です。

個人的にはOff-pumpは絶対に経験して、出来るようにしておくべき手技です。

出来るのと出来ないのでは、大きな差があります。

Asc. Aoがカチカチのcaseとか、心臓動かしてからの吻合部etcの止血とかね。

on-pump beatingという手もありますしね。

 

July 16, 2021

AN