大分時間が空いてしまいましたが、前々回のブログに引き続き、日本にいた時にした、留学準備、特に資金準備についてお話ししたいと思います。

 

家族の援助、自分の貯蓄という手段を除き、私がとった方法はご想像に固くないですが、

 

奨学金制度

 

でした。

 

アメリカの薬学大学院の学費は高額なので、多くの薬学生はファイナンシャルエイド(学資援助)という制度を利用しています。恐らく、最も多いのはFASFA(The Free Application for Federal Student Aid)と呼ばれる連邦政府によるファイナンシャルエイドです。ですがこのFASFA、残念ながら、ソーシャルセキュリティーナンバーを持ち、かつアメリカ市民権または永住権を保持する学生のみとなり、ただの留学生となる私にはその資格はありませんでした。

 

それぞれの渡航先の国や、自分が居住する都道府県、自治体にも独自の奨学金制度を用意している事もあります。また、政府や財団による多くの奨学金制度もあり、インターネットで一覧などを見ることができます。まずはそこから自分の留学条件に合うものをしらみつぶしに探すことから始めました。

 

また奨学金には、返済義務のある貸与型と返済不要の給付型、留学国、専攻 (修士or博士等も)、留学期間、支給額など、条件が様々です。私の場合、Pharm.D (Doctor of Pharmacy)という、ドクターコースではあるものの、PhDとは異なるカリキュラムの為、なかなか自分の留学条件に合う奨学金を見つけられずに焦っていたのですが、最終的に獲得したのは日本にある、伊藤国際教育交流財団(以降、「伊藤国際」と表記)の奨学金制度でした。

 

多くの大学院奨学金制度では応募するにあたり、研究計画書の提出を求められることがほとんどで、例に漏れず伊藤国際からもそれを要求されました。一般的なPhD留学と異なり、研究をするわけではなかったので、計画書作成には苦労しましたが、当時の日本の薬剤師を取り巻く環境の問題点と、アメリカ留学でそれを解決できる根拠、それが日本の社会において何故重要なのか等をまとめ、研究計画書風に仕上げ、何人かに添削もしてもらい、提出しました。ありがたい事に、書類選考、面接を通過し、奨学生となり、学費の一部や生活費のサポートを得られた事で、遠かった留学の道が一気に拓けました。他にも大学の卒論の概要や推薦状、成績表(出したような出さなかったような)の提出がありましたが、今振り返ると、研究計画書に、自分の留学がどれだけ将来の日本に貢献できるのか、その時点で目標に向けてどのような努力をしているのかを熱く書いたのがよかったのかなと思います。ちなみに伊藤国際は、書類は手書きで提出しなければなりません。何千字という文字を丁寧に書いたのも良かったのかなと思います。習字習ってて良かった。。。。

 

そんなこんなで、結構な額の奨学金のサポートを得る事が出来ました。もちろん渡米後も定期的なレポート提出が求められ、楽ではありませんが、これがなかったら、留学は厳しかったなと思います。海外の医学部、薬学部、看護学部などに奨学金を出してくれる制度は比較的に少ないようにも思いますが、不可能ではないので、ぜひ参考にして頂ければと思います。