現在カナダトロントで心臓外科クリニカルフェローをしている島村淳一と申します。
4月末にカナダでpaper-based OETを受験しなんとかB+(CSの代替基準)を取得することができました。既に月岡先生が素晴らしい受験記を書かれていますし(2020/10/16)、その中にOET対策の専門のルーク先生の記事へのリンクや、その後のお二人のインタビュー動画がとても参考になるのでご覧下さい。以下、簡単ですが補足させていただきます。
まず、試験の申し込みについてですが、カナダでは、現時点ではpaper based のみの開催となっています。コロナの影響で2回延期になりましたが、メールでリスケジュールは迅速に対応してくれました。月2回程度金曜日に試験日が設定されて結果発表に2−3週間を要するので受験日を2回設定しておき不合格の場合翌月にもう一度受験できるように設定しました。将来的には(地域によっては既に?)自宅でのオンライン受験が可能とのことです。受験地、日程の確認は
https://www.occupationalenglishtest.org/test-information/test-dates-locations/
で行えます。
対策ですが、TOEFLやIELTSと異なり問題集が少ないので、月岡先生の記事、ルーク先生のHPを読み、試験の雰囲気をつかんでからOET公式HPに掲載されているサンプル問題に取り組み傾向を把握すると対策を始めやすいのではないかと思います。
リスニング
最初のパートにして最難関だと思われます。
パートA 医師患者間の会話から必要な情報を聞き取り、回答用紙に穴埋めをしますが、問題文を読む時間が回答数12に対して30秒と短いため、速読の要素も必要と思われます。聞き逃したと思って凹むとどんどん先に会話が進んでいってしまうので解答欄から話の流れを把握してついていくのが重要だと思います。解答は採点官が理解できる範囲の細かいスペルミスは減点にならないという情報を見た記憶がありますが、医学英語のスペリングで自信のない用語に関してはまとめておくといいかもしれません。(症状、薬剤名など。ライティングにも役立ちます。)意外と速記が大切だと思いました。
パートB 医療に関係する会話を聞き選択形式での回答。問題毎に準備時間があり会話も短めなので一番得点しやすいパートだと思います。パートA、Bでの医師患者間の会話はスピーキングで患者さんへ質問や回答する際にとても参考になりました。
パートC トピックに対して専門家がレクチャーをしてその内容に対して6問に答えます。レクチャーが長いこと、準備時間90秒ですが、問題文が割と細かく作り込まれているので厄介なパートです。レクチャー後に回答時間が十分に設けられていないので、聞きながらメモしてもメモを参考に回答する時間がなく、聞きながら回答する必要があります。準備時間で大雑把に問題文に目を通してトピックの展開を予想したあと、時間が許す限り選択肢を精読することが重要だと思います。
難易度によりスコア配分が調整されるようですが合計42問中、30問以上正解でB+の評価ということです。
対策はYouTubeのOET speaking test
https://www.youtube.com/channel/UCupf1r-Jpl2ok1yJmuC29fQ
というチャンネルに大量の類似問題がアップロードされているので毎日解く様にしていました。解説はなく解答も怪しいものもありますが、大切なのはパートAのスピードに慣れることと、パートCの聞きながら問題文を読んで解答することに慣れることだと思います。
リーディング
USMLE等の対策で医学英語を定期的に読む機会があれば一番得点しやすい分野ではないでしょうか。パートAでは比較的短時間で大量の英文を読まないといけないので時間配分が重要です。精読していると時間が足りなくなるのでざっと全体を読んでテキストごとに記載されているトピックを把握し、問題文を読みながら回答に必要な情報を探します。
ライティング
時系列の診療情報が与えられそれを元に紹介状を作成します。対策としてはOET onlineライティングコースを利用しました。紹介状の型や定型表現の習得、課題の提出、添削の復習を行いました。これ以外にも文法や、細かい医療ライティングに関する項目に関する情報が多く掲載されており、勉強になりました。スペリングが難しい単語の整理も重要だと思います。
スピーキング
OET onlineでのスピーキングコースを利用し、基本的な回答の仕方を学んだ後、オンラインコースCamblyを利用し、OETレッスン対応可能な先生に対策をお願いしました。CSと比べると回答に必要な基本的情報(患者情報、面接で求められるタスク)が記載されているため、鑑別診断のステップが必要ないこと、身体診察がないことが特徴です。診断に必要な項目を隈なく収集するCSと異なり、医療面接を通してタスクを参考にして医師患者間でスムーズにコミュニケーションを行う、より英語の能力を判断することに主眼が置かれていると思います。準備時間にタスクを読み話す内容を大まかに把握して医療面接を行います。準備時間に質問も可能です。私が受験した会場では回答中試験管も受験生もマスク着用のままだったので普段以上にはっきり話すことが重要だと思います。課題によってはタスクが多く5分以内に収めることが難しい場合があるので、回答時間の感覚をつかむことが重要だと思いますが、ここでもスムーズな会話がより重視されるので、タスクを全て網羅できたかにあまりこだわる必要はないと言われました。
試験の難易度ですがTOEFL, IELTSの受験,受験未遂に終わりましたがCSの対策をした経験からすると、月岡先生の意見に賛成で、リスニングはOETが最も難しいと思いますが、その他の項目に関して医療英語であり対策も立てやすく、試験勉強が診療にも役に立つことからモチベーションを保ちやすいのではないかと思います。何か質問や訂正がございましたら、shimam_5@yahoo.co.jpにご連絡いただければと思います。
まとめ
リスニング パートA Cが難易度高め 速読、速記、スペリングも重要
対策 YouTube OET speaking test
https://www.youtube.com/channel/UCupf1r-Jpl2ok1yJmuC29fQv
リーディング パートAの時間配分に注意 対策 サンプル問題
ライティング 対策 OET online 講義、添削
スピーキング 対策 OET online講義, Cambly
全般 月岡先生、ルーク先生記事、https://www.occupationalenglishtest.org/preparation-portal/oet-blog/ (OET公式サイトにあるプチ情報)
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