ジョージア州エモリー大学心臓胸部外科でResearch Scientistをしている小野原といいます。今回、当ラボでは大型動物の実験を用いたTranslational Researchに興味がある心臓血管外科医のポスドクを募集しています。

当ラボはAssociate ProfessorであるDr.PadalaがPI/DirectorをしているStructural Heart Research & Innovation Laboratory(https://www.padalalab.com/)になります。虚血性僧帽弁閉鎖不全症・虚血性心筋症の病態解析・カテーテル治療用デバイスの開発がメインの研究ですが、その他、弁膜症のコンピューターシミュレーションや小児心疾患に対するバイオハイブリッド材料・弁付きグラフトなどの研究もしています。
PIであるDr.Padalaは現在、NIH R01のグラントをPIとして3つ、co-PIとして2つ取得しており、5年間で約8億円の研究資金を有しています。その潤沢な研究資金をもとに新型コロナ下の現状でもブタを使った実験を頻繁に行っています。現在、ラボに在籍している心臓血管外科医は私1人で、他に外科レジデント(PGY2)が1人在籍しており、7月に2人目の外科レジデントが仲間に加わる予定です。ただ、行っている実験のレベルが外科的に高度なことを行なっているため、心臓血管外科医1人が外科レジデントに手術手技を指導しながら実験を行なっていくことは容易ではありません。今後は人工心肺を使用した実験も予定されており、基本的手技を取得している心臓血管外科医の参加が望まれる状況になってきました。
下記に現在、行なっている主な大型動物を使った実験内容を記載しておきます。興味がある方は私の方までご連絡下さい。

エモリー大学心臓胸部外科
小野原大介

Daisuke Onohara MD. Ph.D.
Associate Academic Research Scientist
Structural Heart Research & Innovation Laboratory
Cardiothoracic Surgery
Emory University School of Medicine
Office: (404)-251-0661; Email: donohar@emory.edu

現在、行われている主な実験内容
・右大腿動脈アプローチによるカテーテル的エタノール注入による虚血性僧帽弁閉鎖不全症ブタモデルの作成
・上記手技により作成されたモデルの心不全進行をcMRIにて画像評価(6ヶ月のフォロー)
・虚血性僧帽弁閉鎖不全症ブタモデルに対するカテーテル的僧帽弁形成デバイス(CARLEN device)の植え込み術
・他施設のカテーテル的僧帽弁形成術デバイスの植え込み術実験のサポート(右大腿静脈アプローチによる経心房中隔アプローチ)

今後予定されている実験
・人工心肺を使用した実験(IMRに対する弁輪形成、PMA後の僧帽弁、弁下組織の形態・機能評価)
・カテーテル的左室形成デバイスの開発など