endovascularのはなし。

読んでみたら、どちらかというとVascular Surgery/Interventional Radiologyの話でした。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31669033/

Management of acute type B aortic dissection with malperfusion via endovascular fenestration/stenting

The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery

 

malperfusion合併した、Type B Aortic dissectionのはなし。

1996年から2018年の182例の検討。

 

現在、合併症ありのType Bに対しては、true lumenを広げる目的でTEVARを中枢に入れると思いますが、

こちらの施設では、ruptureの恐れがない場合は、malperfusionに対してのfenestration/stentingを先行させてるようです。

2010年からはTEVARも必要があれば行うという方針のようです。

 

個人的に見たことはないのですが、

fenestration/stentingというのは、celiacの中枢とかで、

Balloonを使用してdissection flapにtearを作ってやって、真腔にstentを入れるみたいです。

分枝にmalperfusionが残る場合はstent置いたりしているみたいです。

 

182例、mean Age 55yo、

abdominal painが61 %、lower-extremity weakness 27 %、with non-palpable pulse 24 %、

あとは、腎機能、肝機能悪化等がpre-opeの要素でした。

 

結果を見ると、93%で、completely、5%でpartially resolvedとのことです。

ただ、13 caseで試験開腹、そのうち9 caseで腸切除してる。

 

new onsetのparaplegiaはなし。retrograde type Aはなし。

spinal cord malperfusion5例のうち、3例は回復したと。

in-hospital mprtalityは20年間で7.7 %、前半の10年が11.3 %、後半が3.5 %で、最近8年は死亡無しだそうだ。

Aortic ruptureと思われる死亡が3例あったが、2010年からTEVAR導入し、その後はAortic ruptureも無いみたい。

TEVARやってるのは14例、7.7 %のみ。

contrast mediaのせいか、renal failureは多い。術前からので7.7 %、術後で5.5 %。

脳梗塞は5.5 %。腹部分枝のangioでは多いか。まぁ、造影カテとか入れるからかな。

 

  5y 10y
Survival 72 % 49 %
re-intervention (over all) 21 % 31 %
re-intervention (no TEVAR) 20 % 30 %

 

遠隔期の成績は上の表。

re-intervention rateも悪くない。

 

このTeamが、malperfusionに対してfenestration/stentingを先行させる理由として、

 

①TEVARでのretrograde Type A、spinal cord ischemia/paraplegiaのriskがある。

②TEVAR onlyでは、static malperfusionを確実に解決できない。

③TEVARでは時に、lt. SCAをcoverする必要があり、bypass等が必要になる。

④もし、ptがnecrotic bowel/limb/sepsisを合併した場合、graft infectionのriskがある。

 

の4つを上げていました。

 

TEVARのメリットである、偽腔閉鎖、Aortic remodelingがありますが、

distal aorta/descending Aoにfenestrationすることは、同様の効果があるのではと言っていました。

偽腔の圧を逃がせると。

結果としてre-interventionは多くはない。

 

非常に興味深いpaperでした。

 

Emoryでは、TEVARを専門にしているAttendingがいて、Type Bも見てました。

確かに術後paraplegiaになったcaseもありましたね。

 

Vascularとか、Interventional RadiologyとTeamを作って対応するのが良いと思います。

カテーテルなんかは彼らの方が上手ですしね。

ハイブリッド使って、Scrub Nrs. とか放射線技師さんとかもね。

 

あとは、TEVARやるときに、IVUSはお勧めです。

前述のAttendingは、透視だけでTEVARやって、真腔から偽腔に挿入してしまい、

失神するかと思いながら胸腹部大動脈置換をしたことがあるそうです。

結果は話せないと言ってました。

その後IVUSを必須にしているようです。

Type AのFrozen ETにも応用できますしね。

 

March 26, 2021

AN