みなさんこんにちは。はじめまして、群馬大学のmihoです。

今回大学独自のトビタテ類似のプログラムに採択していただき、イギリスで2週間NHSシステムから学ぶ日本の小児医療の在り方というテーマで研修しました。トビタテ同様、研修する国、内容ともに自分で全て内容決めることができます。

1週目は、イギリス英語に耳をならす、イギリス文化を学ぶためにホームステイをしながら医療英語コースのある語学学校に通いました。2週目は小児ホスピス訪問 (1日間)、Great Ormond Street Hospital(GOSH)オブザーバーシップ(1日間)、GOSHサマースクール(3日間)に参加しました。

 

中でも、GOSHでのオブザーバーシップは本プログラムの企画を始めたときから絶対に実現したいと考えておりました。しかしそう簡単に(特にイギリスでは)何の縁もない日本の学生ができることではないということを実感したので、今回はなぜ私がオブザーバーシップを受け入れていただけることになったのかも踏まえてGOSHでのオブザーバーシップの経験をブログにてお話したいと思います。

 

まず結論ですが、やはり大事なのは人との人とのつながり早めに準備すること(3か月前目安)だと考えます。

ここからは、準備、オブザーバーシップでの経験、CVの書き方に分けて書いていきます。

 

〇準備

 

私が3か月前にGOSHのホームページを拝見したところ、コロナウイルスの影響で海外からのオブザーバーシップの受け入れを中止しているという情報が掲載されていました。ダメ元で直接メールを送ってみましたが返信がなかなか来ない挙句、やはり断られてしまいました。(GOSH以外の小児病院数施設含む)そこで、ロンドンではTeamWADAのRossiさんがご勤務されていることは存じ上げていましたので、約3週間前と非常に急になってしまいましたが相談をしてみました。するとRossiさんがGOSHの神経内科の教授と繋いでくださり、なんとほんの数日で教授からオブザーバーシップの許可をいただくことができました。しかし当初一週間の予定だったオブザーバーシップが手違いで1日になってしまうなどトラブルはたくさんあったのでやはり余裕をもって準備することが大事です!

 

以下、オブザーバーシップに必要な書類を参考程度に乗せてきます。

 

・CV(GOSHで学びたいこと、目的、期間の詳細を英語で記載)

・大学からの推薦状(英語)自分のことをよく知っている先生に頼む

まずこれらをRossiさんに提出しました。

 

その後に、GOSHの担当者から必要フォームへの入力が求められました。

ここには、希望診療科・reference(大学の先生等に2名分の連絡先)・希望日程など記載しました。しかしその後、確定メールが届くはずがなかなか届かず(診療科と学生担当部署の連携が上手くとれていなかった?)月曜日開始予定で5日間だったオブザーバーシップが金曜日1日になってしまいました。また、開始日には本人確認書類のコピーの提出が求められたため、パスポート等持っていくと良いと思います。Visaの必要・不必要については諸説あり、ここに書くとかなり長くなってしまいますのでもし私の体験談が知りたい場合には連絡いただければ幸いです。とにかく、何か手違いがあっても余裕を持って対応できるよう、少なくとも3か月前から準備は始めるべきです!!

 

〇オブザーバーシップでの経験

 

ここからは、実際にオブザーバーシップで学んだことをお話したいと思います。

GOSHは世界屈指の小児専門病院で、63もの部門があり研究も盛んです。

院内のアートも有名で、院内にはディズニーシーのマーメイドラグーンのような遊び場がありました。また、ピーターパンの作者のJM Barrieが著作権をGOSHに譲渡したそうで、一部のAmbulanceがPeter panbulanceと可愛らしくなっていました。

 

 

 

他にも、病棟名が○○科と示されているのではなくKoala病棟となっているなど、こどもがそこを病院と感じないような工夫がいたるところに施されていました。

 

オブザーバーシップでは外来をメインに見学しました。ドクターは筋ジストロフィーをご専門としている方で、世界的に筋ジストロフィーの中では一番頻度の高いDuchene型筋ジストロフィー(DMD)の外来を見学しました。

外来は、いつも自分が実習している施設の2倍くらいの広さがあり、こどもが遊ぶスペースが確保されていました。また、医者と患者が向かい合って机を挟んで座り、その間にカルテがおいてありました。このような配置にすることで医者が患者と話すために横を椅子の向きを動かす必要がなくなります。カルテはNHSの病院は同じカルテで統一されており、日本のようにカルテが何種類もあって勝手が異なるということはなさそうでした。お昼休みにはイギリスで主に用いられている日本では未承認の薬の作用機序について調べるよう言われ、午後には確認とともに診断基準についてもご指導いただきました。ドクターはNorth Star ProjectというDMD患者さんがイギリスのどの病院でも同じ診断・治療を受けられることを目標としたプロジェクトのリーダーを務めており、その診断基準には呼吸機能評価や筋力評価などが含まれており、それらの検査を見学しました。

 

外来終了後には、GOSHやNHSシステムについて数時間お話をしました。GOSHはもちろん、小児ホスピスを見学した時も感じましたが、イギリスは日本と比べ非常にチャリティーが盛んな国です。病院の財源の多くがチャリティーからなるそうです。休日にはチャリティーランや気球にのるイベントがあり、街中にはチャリティーショップが至る所にあるなど、チャリティーと知らないままで自然と楽しいからという理由で幼少期から参加していることも多いそうです。日本ではあまりチャリティー文化が根付いていないように感じますが、最近はふるさと納税やクラウドファンディングなど気軽に始められるものも増えてきているので、子ども時代からチャリティーに触れられるよう教育が進めば良いなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

〇CVの書き方

 

Rossiさんは私がGOSHでオブザーバーシップを実現できるよう、私のロンドン滞在中はいつも気にかけてくださり、

ご勤務先であるThe National Hospital for Neurology and Neurosurgery ( as part of Institute Neurology -University College London)も少しだけ見学させていただきました。CVの書き方についてもご教授いただきましたので、学んだことで重要だと感じた点を以下に記載します。

 

・カバーレター(送付状)を必ず書く

 

英文カバーレターは単なる送付状以上の意味を持っています。熱意や意欲、志望動機を伝える役割をも果たします。書き方は箇条書きではなく文章形式で書くなど決まりがあります。アメリカ英語、イギリス英語など行く国によって言い回しが異なることがあるので、その国の方に添削をお願いするのもアリだそうです。

 

・CVは見やすさ重視

 

CVはとにかく見やすさ重視でぱっと目を引くものが良いです。

内容はAdress,E-mail,Education,Hobbiesなどなど、、、Languageは(native,fruentだけでなく、実際に何かスコアがあればそれを書くべきです)主体的な活動経験が重視されるので学生のうちからそういったものがあればあるほど良いと思います。

 

 

また、夜には美味しいイタリアンをもごちそうになりました。イギリスに来てから食事に困っていて(なぜかハズレのお店ばかり入ってしまっていました笑)久しぶりにおいしい海鮮パスタやワイン、デザートを口にし、ロンドンに来てから一番幸せなひとときを過ごしました。

 

 

 

Rossiさんのご協力なしではこのオブザーバーシップは決して実現しなかったことと思います。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

また、選考に向けてアドバイスしてくださりましたTeamWADAの方々、TeamWADA学生インターンの皆さん、自大学の先生方にも誠に感謝申し上げます。