皆さんこんにちは、Team WADA学生メンバーの山口伸矢と申します。「Study with Ns Rossi」企画にて専門看護師のロッシ真由美先生に、医療面接の練習をしていただきましたのでその症例概要、面接要約、意識した点、良かった点、悪かった点、感想をここに書き留めていきます。
- 症例概要
- 35歳女性多発脳腫瘍の話
- 5年前に化学療法で治療した乳がんの既往があるため、これが転移したものと考えられる症例。
- 結婚を予定しており、結婚式と挙児希望があるとのこと。
- brain biopsyの結果を告げて今後の治療や生活を相談するセッティングでした。
- 面接要約
- 自己紹介
- 今日はどうされましたか→検査結果を聞きに来ました
- (治療法があるというクッションを挟んで、)脳腫瘍です。→治るの?すぐ治療しないとダメ?前回治療で髪抜けて嫌だったんだけど?妊娠できる?→1つずつ答えますね。
- 治らない方も多くいます。ただ大まかに三通りの治療があって寿命を延ばせますね。
- 手術、放射線、化学療法があります。各々の副作用は〜〜。
- 髪が抜けるのは嫌とのことですが、化学療法のレジメン調整や他の治療の併用で対処可能です。
- 妊娠できますか?→推奨されません。体外受精は可能なので代理出産などのアプローチが良いでしょうか。
- 安心しました→何よりです。
- 意識したこと:
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- 最初はopen questionから入り、ひとまず好きなように語らせるようにしました。
- 大前提として(基本的に)治らない癌なので、まず寿命を伸ばすことも含めて様々な対処法があることを診断名より先に告げることで動揺を与えないよう意識しました。
- 良かった(と言われた)点:
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- 様々な共感の言葉を要所で挟めていた点
(I understand your concern.
It’s natural to feel that way.
I know how you feel. etc
あたりをパラフレーズして擦りまくったのが良かったのではないのでしょうか。
OSCEでの伝家の宝刀:「それはお辛いですね」の出番です。) - 相手の言葉を繰り返すテクニックを使えていた。(ミラーリングと言うそうです。)
- 「妊娠できるのか」という問いに対して、子宮外妊娠による代理出産を提案できたのは良かったと思います。Rossi先生曰く治療と出産のジレンマを焦点とした面接なので裏技みたいになってしまったようですが。。苦笑
- 様々な共感の言葉を要所で挟めていた点
- 反省点:
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- フルネームを聞き忘れる。しかも忘れてもう一度聞き返してしまった。
- 治らない癌だということをオブラートに包める自信がなく、”Some people may not recover at the end.”という誤魔化すような表現に落ち着いてしまいました。
- 手術の欠点の説明にて、”death”という単語を用いてしまった。(侵襲性の高い単語なのでオブラートに包めるように注意が必要とのことでした。)
- そもそも手術自体多発転移では適応でないので言わなくても良かったかもしれません。(CT画像が手元にないので一応説明しましたが)
- 前回の乳がんはHER2陽性だったか問うことで分子標的薬(トラスツズマブ)の適応の有無を探ったほうが良いという指摘。→医学的には確かに。。と思いましたが個人的には必須ではない気もしています。
- (後述)
- 感想
- 全体としてOSCEの傾聴力が一番問われるなと感じました。
- 違うのは単なる病歴聴取でなく返答をする必要があるため、返答のオブラートさ、柔軟性が問われている気がします。
- 特に今回は医学的正解と個人ニーズが矛盾しなかったので良かったものの、そこが拮抗した場合の立ち回りは工夫すべき点が多そうだなと感じました。
- そもそも病歴がざっくりしていたので、転移の程度など雰囲気を汲み取ってそれっぽくやれるかが問われている点も新感覚な試験でした。
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