お久しぶりです。

 

最近、イギリス在住の外国人の間では、新しいVISAシステムの話で持ちきりです。

今までは、パスポートにシールを貼られたり、スタンプだったり、車の免許証の様なカードだったりと、バラエティーに富んでいましたが、来年(2025年 1月)からはe-VISA変更になります。

 

しかも、これからは短期滞在者にもアメリカのESTAの様なシステムが導入される様です。

 

いつもお世話になっている、VISA専門弁護士さんより、最新情報を頂きましたので、シェアしたいと思います。今後、イギリスに短期留学、観光に来ようと思っている方は、注意が必要です。

 

 

イギリスにおけるイミグレーションシステムのデジタル・オンライン化が進む中、2025年1月8日からビザを必要としない日本国籍で6か月未満の短期滞在者(ビジター)にイギリス渡航前の電子渡航認証の取得が義務付けられるようになります。

 

この電子渡航認証Electronic Travel Authorisationは略してETAと呼ばれイギリスでは2023年10月より既に一部国籍者に対してETA取得が義務化されており、導入から対象国籍を段階的に広げ、2025年1月8日から日本国籍もETA取得義務の対象に加わります。

 

そこで今回はイギリス電子渡航認証・ETAについてお伝えします(※)。

(※本稿は英国内務省(Home Office)サイト等の2024年9月25日時点での情報を基に作成しています。情報は予告なく変更される場合がありますのでご了承ください)

 

ETA(電子渡航認証)とは
日本国籍者は観光や商用目的の短期滞在であれば71もの国でビザ申請をすることなく入国することが可能です(※2024年9月現在。滞在可能日数は滞在国によって異なります)。イギリスもその国のひとつとして観光やビジネスなど最長6か月まで日本人旅行者がビザなしで気軽に訪れることができる渡航先となっています。

 

近年システムの電子化・オンライン化を図り入国審査の利便性に加えて安全性を強化する目的で電子渡航認証システムを導入する国が増えてきています。アメリカでは2009年より導入され、カナダ、オーストラリア、2021年9月には韓国でもスタートしており、これらの国へ訪問されたことがある方にはESTAあるいはETAと呼ばれるこのシステムは既になじみがあるのではないでしょうか。

 

イギリスにおけるETAは2023年10月より対象国籍を限定して運用が開始されていました。イミグレーションシステムのデジタル・オンライン化が進められていく中で段階的に対象国をひろげ、日本国籍者に対しては2025年1月8日よりETAが義務化されます。

 

ETAはビザ申請を必要としない短期滞在者が対象で、渡航前の事前登録により渡航認証を得るオンラインシステムです。認証を得ることによって渡航者本人のパスポートにETAが電子的にリンクされます。イギリス入国時、日本国籍者は自動ゲート(Eゲート)を利用することによって無人入国審査を受けることになりますが、その際パスポート情報から渡航者のETA情報、入国履歴データなどパスポートにリンクされている電子情報を参照しシステムが自動で入国審査を行います(※現在のEゲート利用可能年齢は10歳以上となっています。ただし10歳から17歳のEゲート利用は成人同伴者が必要)。

 

ETA申請が必要になるケース
イギリスへの渡航が6か月までの短期滞在者はETAの事前取得が必要となります:
•  最長6か月の観光(家族訪問を含む)、商用、短期留学者
•  イギリス国内での乗り継ぎ・トランジット
•  クリエイティブワーカービザ保持者(最長3か月)
•  ミュージシャン、プロスポーツ選手等一部の専門職従事者でPermitted Paid Engagement滞在者

ビザ保持者・永住権保持者は対象外となり、ETA申請は必要ありません。

 

ETA 申請方法
日本国籍者のETA取得の義務化は2025年1月8日からとなりますが、申請は2024年11月27日より開始となります(※)。

(※本稿は英国内務省(Home Office)サイト等の2024年9月25日時点での情報を基に作成しています。情報は予告なく変更される場合がありますのでご了承ください)

ETA申請はモバイルに専用アプリ:UK ETA をダウンロードしてアプリを通じて申請、ETA費用10ポンドの支払いを完了させます。

申請完了後の審査は通常3営業日以内、取得したETAは2年間有効です。有効期間内は渡航回数に関係なく取得したETAが適用されます。

一度ETAを取得しておけば2年の期限があるとはいえ、多少の注意が必要です。というのも、取得したETAは渡航者のパスポートと電子的にリンクされているためパスポートを更新・再取得した場合にはETAを取得しなおさなければならないからです。ETAの残存期間に関わらず、パスポート更新後のイギリス渡航には新しいETAを申請・取得する、というように覚えておかれるとよいでしょう。

イギリスETAへの日本国籍者の申請受付は2024年11月27日から、義務化は来年1月8日からとまだ十分な時間があります(※2024年9月25日時点。情報は予告なく変更される場合があります)。近々イギリス訪問の予定があったとしても現時点ではさほど慎重になる必要はありませんが、これから年末年始にかけてイギリスへのご出張あるいはご旅行を予定されている場合は、ぜひ一度ご自身のスケジュールとETA開始の時期をご確認ください。

新しいシステムが導入される時、特に初期段階においては混乱やエラーが生じやすくなります。イギリスへの入国やビザ申請についての疑問や不安は事前に専門家のアドバイスを仰ぐことを強くお勧め致します。