ベルギー(一時帰国中)の澁谷です。

 

ちょっと長いので小見出しです。

 

①「お前今なにしてるの?」
②「日経ビジネスの取材を受けました」(1番下に記事のリンクがあります)

 

(※以下はあくまで私の個人的な意見です。所属先などとは全く一切関係ありません。)

 

①「お前今なにしてるの?」

 

ベルギーから日本に戻ってきて約1ヶ月、働き出して2週間ほどが経過しました。

 

帰ってきて、お前今なにしてるの?とよく聞かれるのでちょっと書いてみます。

 

当初はすぐベルギーに戻る予定だったので心臓外科医としての勤務ではなく、日雇いの非常勤の勤務をいろいろ探しました。

 

しかし、このコロナの騒ぎで小さなクリニックは非常勤求人を中止したり、健康診断などを行う病院もそのような業務を中止したりと中々勤務が決まりませんでした。いつもは比較的すんなり決まるのですが、今回断られた数は50を優に超えます。

 

また、帰国後の自主的な隔離期間(僕が帰ってきた時期は強制ではありませんでした)を過ぎた後でも、海外からの帰国者ということで契約を交わしたにも関わらず後出しジャンケンで契約を切られた案件も複数ありました。

 

コロナ失業という言葉は聞いたことはありましたが、このコロナ問題・医師不足と言われる状況でまさか自分が職不足になるなんて全く想像しておりませんでした。

 

また、僕だけでなく家族も大なり小なり海外帰国者ということで嫌な思いを感じることもありました。帰国して2週間ほどは職も見つからず自宅隔離をしていましたので、先の見えない焦燥感から気持ちもなかなか沈んでいました。

 

そんな中、以前お世話になった病院や、所属医局のご好意でいくつかの病院をご紹介いただきなんとか職を得ることができました。大変だったね、などと温かい言葉もかけていただき本当に涙が出る思いでした。正直、職が無い怖さというのは人生で感じたことがなかったため本当に怖い思いをし、生きる上で大変切実な問題だと肌で感じることができました。

 

そんな中で現在は、いくつかの病院で非常勤業務を行いながら、またベルギーに戻る時期を伺っているという状況です。

 

②「日経ビジネスの取材を受けました」

 

ベルギーで僕がコロナにかかれば家族が全滅するという命の恐怖をリアルに感じ、緊急で帰国を思い立ったのですが、いざ帰って見ると日本の状況にとてもびっくりしました。

 

日常生活もですが、医療現場についてもびっくりすることが多かったです。

 

ベルギーで同僚達に日本に一度戻る旨を伝えたところ、「え?日本はそもそも大丈夫?」とみんなに言われましたが、「うん!日本は感染は局所的だし、ダイアモンドプリンセスの騒ぎも抑え込んで、とてももう落ち着いているよ!心配してくれてありがとう!」といって戻ってきたのですが、現実はなかなか違いました。

 

そんな中、以前イタリアでのコロナの危機的状況に対してインタビューを受けたご縁から、この度再度日経ビジネスさんからインタビューを受ける機会を頂きました。

 

インタビューのポイントとしては、このコロナ問題に対してオンタイムでヨーロッパと日本両方の医療現場を経験している人材が今現在あまりいないという点です。

 

僕は心臓外科医なので感染症の専門家でもないし公衆衛生的な知識も全く乏しいのですが、今現在実際に救急外来やICUで働いているので一医療従事者の現場の声としてインタビューに応じさせていただきました。僕の経験の及ばない範囲は実際に最前線で勤務している方に僕自身も質問し記事を補足させていただきました。

 

1つ問題があり、記事が有料記事なのです。
ご興味ある方はぜひ会員登録して読んでいただきたいのですが、せっかくなので多くの方に気に留めていただきたいので要点だけ少し紹介させていただくと、

 

・防護具が全く足りない
・コロナ対応病院はパンクしだしている
・院内感染はどこの病院でも起こりうる
・患者・医療者の精神的サポートを
・専門家など人材の集約化
・正しい情報はご自分で調べてください
・とにもかくにも、人との接触を避けてください

 

といった内容になっております。

特段ぶっ飛んだ意見は言っていないつもりですが、もっとこここうだろなどの現場の声がありましたら教えていただければ幸いです。

 

前置きが長くなりましたが、以下、4/16朝付で出されたホカホカの記事です。
自分の顔がトップに出ておりとても気持ち悪いですが、せっかくなので多くの方に読んでいただければ幸いです。

 

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/041500016/

 

海外留学するといろいろありますね〜。