初めまして!
月岡さんから招待していただき、OET対策に関する記事を今回初めて投稿させていただきます。Luke Mitsumineと申します。
私は、SOLO IELTS TOEFLという英語の資格対策のサービスの一つとしてOET対策を、主に日本の医師と看護師の方に提供しています。サービス提供の中で得た知見を僭越ながら共有させていただきます。
2. OETの対策方法
まずOET対策についてですが、前提として高い基礎英語力が求められます。
そのため、OETをこれから対策するという場合には、最低でも「英検準1級で9割以上の正答率 」または「IELTS6.0(TOEFL75点以上)」の英語力がすでにあることが望ましいです。
よく「最初からOET対策をはじめた方が効率が良さそうなので。。。」と相談を受けますが、基礎力を伸ばさない段階でOET対策を始めると、必ずどこかのセクションが合格スコアに達せず、必要以上に対策に時間がかかってしまうケースが大半です。
仮にリーディングの基礎英語力が十分身についている場合でも、日本で英語を学習してきた方の多くが「スピーキング」と「リスニング」で合格スコアに達することができません。例えば、USMLE Step2 CSの対策を中心に行ってきた方々ですと、OETでは特にリスニングで苦戦する傾向があります。
OETのリスニングは、オーストラリア英語を中心とした様々な国で話される英語が再生されるので、一つの国の英語を聴いて対策してきた場合には、この変数にうまく対処できないといった印象があります。(また、OETはよりコミュニケーション能力に焦点を当てたテストなのか、目的が曖昧なカンバセーションも問題として出題される傾向があります)
以上のことにより、OET対策を考えている場合にまずやるべきことは以下の5点です:
- 精読力の向上(文法の抜けや漏れをなくす)
- 一般語彙力の向上(最低でも英検準1級+IELTS頻出単語は暗記)
- 基礎リスニング力の向上(British Councilがおすすめです)
- 様々な訛り(特に豪州)の英語をインプット(YoutubeでABC NEWSなど)
- 発音の習得(細かい発音よりも、テンポよく英語を話す練習)
できるだけマイルストーンを設定して学習することが理想的なので、基礎に抜けがある人は「英検」や「TOEIC」を、ある程度実力がある方は「IELTS」や「TOEFL」などを活用して、長期的に対策をしていくことが良いと思います。挫折しませんし、なにより、モチベーションを維持しやすいです。)
3. 各セクションの対策方法
「リーディング」
十分な一般語彙が身についているかつ、精読力がしっかりとあれば余裕を持って目標スコアを取得することが可能です。専門的な医療語彙を知っていればアドバンテージがありますが、なくても十分スコアを取得することが可能です。IELTSリーディング6.5-7.0ぐらいが取得できるようになると、対策なしで合格点にのることがほとんどです。OET以外のテストで基礎英語力をつけ、最後の仕上げとしてOETの公式模試に出てくる知らない単語を全て覚えていきましょう。
「ライティング」
受験するテストによって内容が若干違いますが、基本的にはどれも同じで段落構成をみにつければ比較的スコアが簡単に伸びるセクションです。「手紙の意図が明確かどうか」「伝えるべき情報をピックアップできているか」の2点が重要になります。ライティングも専門的な医療語彙を知らなくても、IELTSライティング6.0-6.5ほどの英文クオリティで合格ラインに達することが可能です。客観的に自分のライティングを評価することは難しいと思いますので、こちらは誰かにフィードバックをもらうと良いでしょう。
「リスニング」
ほとんどの人にとって、OETの中で最も難易度が高いセクションです。書き取りの問題もあるので、「症状」「処方薬」の名称は最低でも英語で把握していることが望ましいです。先ほど述べたように、使用される音源にさまざまな訛りがあり、日常的に広い意味で英語をインプットしていないと、音声認識すること自体に苦労します。トレーニング自体はディクテーション(リプロダクション)を中心に1文ずつ丁寧に行いましょう。また、問題の7割以上が豪州訛りですので、OETの模試で練習するかたわら、豪ABCニュースなどを中心に毎日多聴することを心がけましょう。特に、PartAは音声認識のみでスコアを上げることが可能ですので、このセクションで20問(24問中)の正解を目指すことが合格のカギを握ります。
「スピーキング」
英語力のテストでは唯一「インターパーソナルスキル(人間性)」が評価基準に含まれています。正しい英語をはなすことよりも、自然なテンポでコミュニケーションを取る力や、患者役の面接官に共感を示す表現などを多用すると比較的スコアが伸びやすいです。これまで真面目に英語に取り組んできた方は、苦手と感じやすいセクションです。テンポよく英語を話す訓練をして下さい。こちらも、IELTSスピーキング6.0-6.5ぐらいのスコア感を目標に目指すと、具体的な対策としては効果的かと思います。スピーキングで落ちる方の特徴は、「症状の説明で詰まってしまう」、もしくは、「リズムと抑揚の欠如」であることが多いです。基礎的なスピーキング力あるにも関わらず、どちらに原因があるかを把握し、対処していくことがポイントになります。
上記はかなりざっくりとした対策方法です。念のため、過去にまとめた記事の一覧があるので、そちらも参考にしていただければ幸いです:
- 参考リンク : OET対策記事一覧
4. 対策に役立つウェブサイトやツール
対策は、必ずしもOETの模試で勉強する必要はありません。というのも、OETのリソースは限定的なので、模試を中心に学習するとすぐにリソースが枯渇してしまいます。
可能な限り、医療専門誌や医療トピックに関連したニュース、Youtubeやポッドキャストなどを使用して日常的に英語に触れる過程で英語を学習していき、定期的に模試を受けるのが良いと思います。
以下に参考までに、対策に役立ちそうなサイトを載せておきます:
- サイト1. OET公式ホームページ(無料のサンプル問題にアクセス可能です)
- サイト2. OET Listening(Youtubeチャンネル、リスニングの問題が多数アップロードされている)
- サイト3. https://1filedownload.com/oet-2-0-reading-samples/(リーディングの問題がダウンロード可能)
弊社では4週から各セクションをトータルでサポートを提供していますが、単発的なレッスンやフィードバックをご希望の方はOETの公式ホームページで、公認されたOET対策講座を開講している学校を紹介しています。いずれのサイトも「約25USD ~ 200USD」の範囲で、何かしらのOET対策パッケージを販売しているのでそちらを活用することで情報にアクセスすることも可能です:
こういった別のプラットフォームで投稿することが初めてなので、うまく伝えることができたかは分かりませんが、上記の情報が皆様の役に立てば幸いです。
ご質問などありましたら、luke@solo-language.comまでいつでもご連絡ください!
長々と失礼しました。ありがとうございます!
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- OET対策
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