大学院生 女性からの 質問

 

PAやNPに関してご意見を伺ってみたいなと思いご連絡させて頂きました。現在私は大学院で日本版NPの育成コースを学んでいます。日本ではまだまだ制度も未熟で先輩方が手探りで活動されている様な状況です。制度として成立している海外で実際一緒に働かれてみて、 日本にも必要だと感じますでしょうか。

 

 

野田の 答え

 

うちのクリニックには、NPの資格までとった看護婦はいませんが、ほぼ同じレベルで糖尿病を含む慢性疾患の管理を担当している看護婦さんがいます。

とても頼りになります。

 

(彼女がNPにならないのは、これ以上ペーパーを書いたりすることに時間を使うことに意義を感じないから、ということでした。まあ私と同世代なので、今更時間をかけてNPの資格を取らなくても、結局同じレベルのことをGPクリニックで任されているので、それで良いということなのでしょう。)

 

特にインシュリンを使っている糖尿病の人たちは、インシュリンの量を変える必要があると数日に1回ぐらい患者さんに連絡を取る必要があるときがあります。

ニュージーランドのGPクリニックでは、GPに時間がない、また診療以外にGPが時間をかけてもGPには余分に収入が入らないシステムなので、患者さんへの電話やメールの連絡を看護婦さんがやってくれると、本当に助かります。

 

彼女は多分GP以上に糖尿病に関しては知識をアップデートしているので、あまり勉強しないGPよりも信頼できます。

 

他にも、アレルギー・アトピー専門のNPを知っています。彼女は自分で処方せんが書けるauthorityまで持っています(ただ、処方できるものは彼女の専門の疾患で、限られていますが)。

アレルギーのことは、彼女に電話をすれば気軽に教えてもらえるので、ありがたいです。

 

ただ、NPは基本的には医者のsupervisionの元で臨床的判断をする、ということだと思うので、superviseする医者との信頼関係によって、どのくらい任されるかが変わってくるかもしれません。

 

日本でNPが必要かどうか。

 

うん10年前の日本では、医者が殿様で、看護婦さんの地位が低いという感じでした。

 

それが現在ではどう変わっているかわかりませんが、医師と看護婦の社会的な関係がどうであるかが、日本でNPのポストが認められて広がっていくかどうかに関与しているのではないかと思います。

 

勉強しない医者よりも、専門を持ったNPの方が役に立つ、とは思います。

必要かどうかは、日本では医学的な問題よりも社会的な問題でないかと思います。

(なんかまとまりのないポストですみません。)