本日の論文は、

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32187351/

Is myocardial revascularization really necessary in patients with ≥50% but <70% coronary stenosis undergoing valvular surgery?

European Journal of Cardio-Thoracic Surgery

 

甘めの冠動脈狭窄に対して、バイパス必要ですかね?というはなし。

弁膜症の手術の際に、50-70%程度のcoronary stenosisをシカトした場合の検討。

 

single instituteで、2012-2017年の連続77例の検討。

症例数はやや少ないか。

f/uは100 %

 

mean Age 72 yo、LVEF 59.3 %、

coronaryについては

LAD 76.6 %、LCX 16.9 %、RCA 19.5 %、重複あり。

2枝病変の場合は10.4 %。3枝病変は手術してる。

手術については、MVrepair 31 %、内9 %はTV repair 追加。MVR 14.2 %、内7.8 %はTV repair追加。

AVRは54.8 %、内7.8 %は上行置換も追加。

心機能良さげ。mean CPB time 76.6 min、AOT 55.2 minでした。

 

手術死亡なし。

周術期のMIは1例、1.3 %、AVRでLCXのAMIを起こし、PCIされたと。peak troponinも基準範囲内だったと。

IABPは3例 (3.9 %)で使用。術後24時間以上inotropesを使用したのは7例 (9.1 %)。

短期成績は問題なし。

 

6年で、4例死亡、cardiac deathはなし。6-year survivalは94.7 %程度。

経過観察中に4例 (5.6 %)がelective PCIを、1例 (1.4 %)がurgent PCIをされている。

術後30日以内にPCIを要したのは、短期成績の時の1例と、もう1例のみでした。

 

この論文では、FFRとか、stress testは術前にやってなくて、CAGによる狭窄度のみで評価してます。

結果として甘めの狭窄にバイパスやらなくてもよさそうです。

甘めの狭窄にバイパスかけてもflow competionになりますしね。

ただ、甘めの狭窄の方がplaque ruptureでMI起こすという話もありますし、注意が必要かと思います。

 

single instituteでのstudyで、Nも少ないですね。

高齢者が多いけど、EFも良い。

実際にはFFRか、stress testやるんかなと思います。

 

March 30, 2021

AN