HOCMの手術のはなし。

 

本物のSeptal Myectomyを見たのはEmoryが初めてでした。

以前書きましたが、僕がいたころのEmoryでは、引退された前ChiefのR. Guyton先生が主に、というか全てやってました。

 

以前書きましたが、del Nidoと通常のmicroplegiaで心停止時の心筋の感じが違うと言っていたのはこの手術。

 

https://doi.org/10.1016/j.athoracsur.2020.09.011

Late Health Status of Patients Undergoing Myectomy for Obstructive Hypertrophic Cardiomyopathy

Ann Thorac Surg

 

Mayo clinicからのpaper

HOCMの手術後の成績について、患者さんのアンケートでのHealth Statusで考察してる。

2007年から2012年までのSeptal Myectomyやった患者さん、963例のうち、

定期f/u受けてる601例で、アンケートをシカトしなかった409例(68.1 %)のstudyだそうです。

 

アンケートで、80 %(329)がHealth Status改善と答えたみたいです。20 %(80)は変化なし、または悪化。

両者で、術前の圧格差、LVEFとかは差は無し。

改善無かった群では、やや高齢、術前に自分の健康状態をgood、very good、Excellentと返答していた人は多い。

あとは、NYHA III/IVの人は少なめ。

 

手術自体は問題なく行われてる。

心停止は 24 min、脳梗塞も1.5 %。

術後のエコーでMRとか圧格差は改善、圧格差はmeanで 58から8 mmHgに減ってる。SAMも減少。

 

術後に症状の改善を認めた群に対するrisk factorは多変量解析?で

術前のLVEF(Odds Ratio 0.76)と、coronary artery disease (2.76)、あとは術前にhealth statusをPoor/fairと答えた人(1.63)でした。

 

あとは、術後に症状が改善した群の方が長期生存も良かったみたいです。(下図)

Late Health Status of Patients Undergoing Myectomy for Obstructive  Hypertrophic Cardiomyopathy - The Annals of Thoracic Surgery

 

総じて、HOCMの手術は、Health Statusを改善させるという結果でした。

 

Emoryにいたとき、ScrubしたTraineeが、電カルのSticky Noteというところにいつ、何の手術したとか申し送りを書くのですが、

某Residentは『Septal Myomectomy』と書いてました。

 

June 14, 2021

AN