気分を変えて、Mitralのはなし。ischemic MRですが。

 

昨年の3月末から4月半ば頃でしょうか?

COVIDの影響で手術がストップしたことがあって、病棟はオンコール体制になったんですね。

その時にEmoryでは午前午後、1日2回のAttendingによるZoom Lectureが行われてました。

結構お腹一杯。

 

その時期に、Cardiac Surgery Key Paperというのが配布されました。

まぁ、読んどけよという感じでね。

その中からのpaperです。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26550689/

Two-Year Outcomes of Surgical Treatment of Severe Ischemic Mitral Regurgitation

N Engl J Med

 

2016年のNEJMのPaper、

CardioThoracic Surgical Trial Network (CTSN)でやったRCT。

http://www.ctsurgerynet.org/

今まで求人とかでよー見てるCTS netと勘違いしてました。

https://www.ctsnet.org/

全く別もんでした。

 

125例ずつのsevere ischemic MRの患者さんをMV repairと、replacementに分けて比較したRCTの2年の成績。

19か所で行われてる。

 

126例のrepair groupで術中にreplaceになったのは6例、経過中にreplaceになったのは4例

repairはcompleteされていて、no/trace MRで手術室を出ているようです。

MV replacementは弁下組織を温存してるやり方です。

経過中に1例が機能不全で機械弁に置換されたようです。

 

  30-days mortality 2-year mortality (p=0.42) mod-sev MR (p<0.001) re-admission (p=0.01)
repair 1.6 % 19.0 % 58.8 % 48.3 %
replace 4.0 % 23.2 % 3.8 % 32.2 %

 

mortalityは差なし。

MRはrepair groupで悪化、そして再入院も多いと。

QOLに関しては差なし。

LVESVI(左心室のremodeling)の改善も差は無かったようです。

 

下の図はDeathに関するKM曲線です。

ほんの若干replacementの方が悪いような気がしますが、有意差はなく、No.みても差は無さそうですね。

 

 

結果として、弁形成の優位性はあまりないということでしょうか?

いまはvalve in valveでTMVRできますしね。

生体弁でMVRかなと思います。

 

July 11, 2021

AN