ま、解離の話。

つい最近出た論文。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34355742/

Results of a prospective follow-up study after type A aortic dissection repair:

a high rate of distal aneurysmal evolution and reinterventions

Eur J Cardiothorac Surg

 

フランスからの報告

2017から2019年の202例のtype A dissection、188例が手術を受けたと。

ちなみに死亡率は13.8 % (26/188)、ま、こんなもんかという感じ。

生存例で、residual aortic dissection (RAD)のあるcaseのうち、CTでfollowしてる104 caseの検討。

mean f/uは20.4 month

 

mean ageで62yo、maleが72.1 %。

一応60 %がHTN合併、23 %がsmoker、DMは2 %。

あと、Marfanが10 case、bicuspidが8 case

 

手術としては、Asc. Ao+Hemiarchで76 %、弓部置換はやってない。

Partial Arch + IA debranchingは22 %でやってる。(IA= innominate artery)

CPB timeで168 min、AOT timeで98.4 min。

脳分離はmoderate hypothermia + selective antegradeみたいです。

 

91 %でtearをresectionしていたのですが、

手術直後のCTで94.2 % (98/104)でpatent FL.

49 % (51/104)で、new entry tearが遠位吻合部に認められたと。

まぁ、吻合部から偽腔が開いていたということでしょうか。

 

で、46.1 % (48/104)で、dissection related events of descending Aortaが認められたと。

ちなみに、定義は

・55 mm以上の瘤径拡大

・10 mm/yr以上の急速瘤径拡大

・破裂、malperfusion etc

・5 mm/yr 瘤拡大

のこと。

カプランマイヤーは下図。

上の左図が、dissection-related events freeで1,2,3年で80.4 %、57.3 %、22.0 %。

結構低いですね。

右が、re-interventionかdeath free。

 

26例、約1/4でindication for reintervention。

諸々の理由で18例がre-intervention施行。

13例は1年未満です。4例は2年未満と。やや早いな。

2例はTEVAR、16例はhybrid TEVARみたいです。

 

multivariableのrisk factorは、

dissection-related eventでinitial aortic diameter >40 mm (p<0.01)、AOT time (p=0.011)

distal reinterventionでinitial aortic diameter >40 mm (p<0.01)、Marfan syndrome (p<0.01)

 

という結果でした。

大体1/4が瘤径拡大等のriskがあるということですかね。

真面目にf/uすると、結構な確率ですね。

entry tearを切除していてこれですからね。

 

アメリカでは、あまり積極的にTARやってelephant trunk入れておくとかしないのでね。

個人的にはfrozen ETやっておくのがいいかなと思います。

 

August 14, 2021

AN