今週の木曜日にこっちにきて初めてjournal clubに参加してきました。

月1くらいで胸部外科のレジデント、フェロー、アテンディングが集まって最近の論文を読むっていうのをgood excuseに

素敵なレストランでご飯を食べる会です。今までなんだかんだその日にオペが遅くなったり、緊急が入ったりで参加できず。

もっと上手くプレゼン出来ないとなあと思いましたが、小児心臓外科の論文を読んだので簡単にシェアしたいと思います。

Early and Midterm Outcomes in High-risk Single-ventricle Patients: Hybrid Vs Norwood Palliation

ミシガンからの論文です。

左心低形成症候群HLHSの患者さんの中でもハイリスクの子どもに対して(日本でもありますが)、ハイブリッド手術(両側肺動脈絞扼術Bil-PAbandingと動脈管ステントDuctal Stent)を行う手術がなんとなくのトレンドです。しかし筆者たちはNorwood手術と比べて早期死亡率ではハイブリッドが有利だけど(30-day survival in hybrid patients (91%Hybrid vs 66%Norwood, P < .01)、中期的には変わらないよ(1-year survival was similar and no significant difference between the hybrid and Norwood groups (46% vs 48%,P = 0.9)と言っています。

うちの施設でもこの論文にあるハイリスクなHLHSはHybridの方針となっています。

ちなみにハイリスクとは1項目以上

・在胎34週未満・出生時2.5kg以下・中等度以上の房室弁逆流または心室機能低下・小さい心房間交通・遺伝子異常などなど

prematurity < 34 weeks, birth weight < 2.5 kg, restrictive/intact atrial septum, at least moderate atrioventricular valve regurgitation or right ventricular dysfunction, genetic or extracardiac anomalies, or left ventricular sinusoids. )を言います。

 

日本だと筆者が述べているINP(Interval Norwood Procedure)に近い、Bil-PAbanding後4−5週(新生児期をスキップ)でNorwoodをするところが多いのではないかと理解しているのですがいかがでしょう?

ハイリスクでなくてもアメリカのデータSTS databaseで平均11-14%というNorwood手術の死亡率よりはるかに低い良い成績を日本では出しています。そうなると上記の方針がいいのかなあと個人的には思います。