お邪魔いたします。シカゴ大学太田です。

 

私は敗者である。

 

私は歯医者ではない。(言っちゃった。。。すでに敗北感)

 

(ちゃうねん、定型を崩して話の腰を折ってすみませんけど。そりゃ、一番最初にこの冒頭文を書いた時、心の中では思いましたよ?「敗者。。。歯医者かぁ」って。でもそれを脊髄反射で口にするほど私のオヤジ係数は高くないのですよ。一連二連では自重して、ついに三連目で言わずにはいれなかった、ってな感じなので情状酌量の余地ありです。しょがないんです。それに、敗者→歯医者と来て、下記の歯医者さんの話題を思いついたのでまあ結果オーライですし。ついでにもうひとつ言っとくと私はまごうことなきおっさんなのでオヤジギャグ言ってもいいじゃないか!というか言う権利がある!あ、失礼しました。取り乱して申し訳ありませんです)

 

とりあえず私は歯医者ではない。私はなんでもできるだけ万全の準備をして臨む性格だ。一見偶発的に起こったかに思えるランダムな場面で私がアドリブを効かして絶妙な返しをしている時があれば、それはおそらく無数に用意してきた私にとって想定内の場面の一つに過ぎなかったということだ。アドリブに弱い自分の欠点を克服するため私が選んだのはアドリブに強くなるのではなく、アドリブが必要になる場面に遭遇しないよう徹底的に想定される事象を検証し尽くして外堀を埋める方法だったのだ。

先日、日本で歯科医の方と食事する機会があった。歯医者さんと食事をするのは私にとって初めてであり、その方自体とも初対面だったので、いつもの通りあらかじめ予習をして準備した。幸い事前にお名前を存じ上げていたので、その方のSNSを全て読み込んで傾向と対策を練り、また歯科の話題になった時その方が話しやすいよう基礎的な知識を学習し、歯科の分野の質問をできるよう準備し、また話題が途切れた際には、話題を変えつつも最終的に歯科の話に流れ着くような私の昔話をいくつか用意した。想定していた戦略はこうだ。まずは食事会に同席する天然装い系インフルエンサー(別名:月岡先生)が、短絡的に「歯医者さんってどんな風に歯磨いてるんですか?」というお見合いにおける「ご趣味は?」級のどうしようもない最初の質問をするのが目にみえていたので、そこから切り崩していくことにした。その方の歯磨き法はSNS情報で把握済みだ。そしておそらく歯科医の方々にとってその質問はもう何度も繰り返されてきたメンドクサイ質問であるとの解釈から、私がその方に成り代わり歯磨き法をプレゼンし、予習を怠った月岡先生をギャフンといわせ、そして前情報として得ていたその方が歯磨きの際に用いるとある医薬品に対し質問を被せて話を伸ばし、「できる奴」感を出して好感度を一気に上げて場を掌握する作戦だ。我ながら完璧な作戦だった。

結論から言えば、歯科の「し」の字も出ないほど歯科の話題にはならなかった。原因はもちろん月岡先生が自分のTwitterの話ばかりしてトリガーの「歯磨き質問」に全然いかなかったのと、私自身も全然関係ないしょうもない自分の話に終始していたことによるものだ。準備していた「できる奴作戦」は日の目を見ることなく流れていった。何度も月岡先生にアイコンタクトを送ったのだが、彼はTwitter用の写真を撮ることと肉を堪能することに集中しすぎており、気配を察する神経が完全にイカれてしまい牛の極上塩タンの下僕になっていた。まあチームとして全然だ。完全に敗者である。

 

医療の真髄はチーム医療にある。手術がしてみたい、心臓が好き、などと単純な理由で心臓外科を志した私であるが、実は心臓外科のチーム医療としての魅力が大きかったのも事実だ。個々が努力し実力を自分史上最高値まで上げて準備しチーム医療に参加するのは当たり前のことだ。でもどんなに個が優れていてもチームとして機能しなければ全く意味がないのだ。

今回の食事会において私の個としての準備は練り上げられていたと思う。しかしチームメイトとの連携において完全に準備不足であったのだ(決して例の天然装い系の人を咎めているのではない)。以心伝心というものは十二分にコミュニケーションを取った者同士にのみ訪れる偶発的な産物であるのだと改めて学ぶことだできたことは今後も私のチーム作りに役立つと確信している。

 

さて、おっさんずラジオの時間です。三連作の真打ち登場です。世知辛い世の中で生き急ぐ皆様に、個々に研ぎ澄まされた無駄時間提供音源ラジオを3つ重ねて「おっさんずラジオチーム戦」にて皆様を「ゾーン」にお連れいたします。私が長年にわたり積み重ねてきたイケメンTばた先生に関する夢、またの名を妄想というが、それを当人を前に淀みないフルスイングで叶えるお話です。それでは「おっさんずラジオ 妄想は叶えるもの 三連」をお楽しみください。

 

 

ラジオで話したかどうか忘れてしまったが、ミノルンが学会で座長や発表するときは毎回一番前列に陣取ってミノルン写真を撮りまくるのが私のルーティンである。今回の旭川でも良い写真をバシバシ撮りまくった。ミノルんの学会登壇写真を(おそらく)この世で一番多く所持している者として私は間違いなく勝者である。そう、私は勝者なのだ。

 

 

 

追記:三連神速

今回のブログ三連作では物事の勝ち負けについて書いてきました。バスケの試合のように数字で勝敗が決まるようなものは分かりやすく簡単です。ただ人生の中で起こる多くのことを「勝ち」「負け」で語れるほど人生というのは単純にはできていないと思うのです。ある事象を自分の中だけで「勝ち」「負け」で分かりやすく解釈し消化していくのはある意味良いことかもしれません。しかし一旦勝敗が決するとその事象が過去に流れて忘れてしまう傾向があると思うのです。実は世にある明確な勝敗自体はそれほど大したことではなく、勝利から何を学び、敗北から何を拾うかが大事なのではないでしょうか?勝てば官軍負ければ賊軍を地で行くとまたいずれ軋轢が生じるだけだと思うのです。勝敗があるものに関してはもちろん、勝つことは数多くある大事なことの一つなのでしょう。ですが勝負を経て個が今後それをどう活かすか、そしてチームがどう個の成長を昇華させるのか、勝負の先にあるものこそが大事なのではないでしょうか? 人生に敗者も勝者もないのです。

 

思考の無限ループに入り込み混沌とする私は敗者である。一方で、ミノルんの2台の愛車の写真を映しだすミノルン携帯とその背後に格好よく鎮座するミノルんを同時に写真に収めた私は無敵の勝者である。