◎ご挨拶

 

ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。

 

あ、最初からハイテンションで失礼しました。御存知の方もいるかもしれませんが、USMLEコンサルタントを自称している瀬嵜智之と申します。巷ではセザキングと呼ばれております。この度は月岡先生のご紹介で、チームWADAブログに記事を掲載させて頂く機会を頂きました。感謝しております。

 

大変失礼ながら貴ブログのことは存じ上げませんでしたが、これまでに既に何人もの心臓血管外科医の方の受験相談に乗らせて頂いた経緯もあり、このような機会を頂いたことに不思議な御縁を感じております。

 

◎記事の主旨

 

今回USMLEに関する記事を書くにあたり、「どのようなテーマに焦点を絞ろうか」と思案していました。そんな中、偶然にも「CS不合格記事」を見つけてしまいましたので、STEP2CSを主テーマとした記事にすることに決めました。そこで、今回は「最近のUSMLE事情」と、私が知る限りの「USMLE受験(特にSTEP2CS)を成功させるための戦略」を簡潔に述べさせて頂き、読者の皆様の一助になれたらと思っております。

 

◎最近のUSMLE事情

 

このブログをご覧の方であれば既にご存知かと思いますが、USMLEとはUnited States Medical Licensing Examinationの頭文字をとったもので、つまり米国医師国家試験のことです。私は2011年にSTEP1を受験しましたが、当時の日本には今ほど多くのUSMLE受験生はいませんでした。「多くない」というよりは、地方においては「皆無」と言っていいほどでした。

 

というのも、当時は今のように誰もがスマホで即座に情報が得られるような時代ではなく、数少ないSNS(mixi!)を駆使してわずかな情報を得るのが関の山でした。(ガラケー時代のUSMLE受験は中々大変でした・・・)当時と比べると最近はUSMLEに関する情報を比較的簡単に得ることができますし、実際にSNS上にはUSMLE受験生で溢れております。

 

その影響もありUSMLE受験のハードルはかなり低くなっていると感じています。これまでに10回を超える講演会活動をしてきましたが、累計で何百人ものUSMLEに興味を持つ学生に出会うことが出来、その中から実際に合格する人もでてきております。喜ばしいことに、講演会開催後には勉強会が作られる大学もあり、特に和歌山県立医大では数十人もの学生が「USMLE部」なるものに参加し、高学年から低学年に向けて「屋根がわら方式(!?)」の教育をしていると聞きます。最近になり留学に興味のある学生が増えたというよりは、潜在的に海外に興味があった学生は元々たくさんおり、様々な情報を得たことで彼らの闘志に火が付いたという印象です。外に世界を見てみたいと思うのは人間が持つ「サガ」なんじゃないかと思います。

 

公式発表が無いため日本全体の受験者数は不明ではありますが、私の経験則では、各大学(在学生と卒業生の合計)の平均STEP1受験者数は8~10人くらいだと予想しています。そのため、年間600~800人くらいの受験者はいるのでないでしょうか。ここ数年で倍増している印象です。

 

◎最近のCS事情

 

さて、このようにUSMLE全体のハードルが下がる一方、臨床留学のハードルを「超」がつくほど上げているのが「STEP2CS(以下CS)」です。「CSは難しい」という噂を耳にしたことがある人は多いと思いますが、実際には皆様の想像を超えるほどの難関試験になってきております。

 

あえて、難関に「なってきている」と表現したことには明確な理由があり、実は以前は全く難関ではなかったのです。CSはここ最近激しく難化しており、今では間違いなくUSMLE受験の最難関となっておりますが、以前はその逆であるUSMLE受験で最も楽勝な試験とされていました。

 

そのため年輩の方々にCSのことを訪ねても「あんなのはKaplanの講習受けるだけだよ」と言われてしまうのが落ちであり、残念ながら重要な情報を得ることはできません。しかし、彼らは決して嘘をついているわけではないのです。

 

では、果たしてCSは何故そこまで難関になっているのでしょうか。推測の域を出ませんが、恐らく「移民の流入に制限をかける」ためかと思われます。現に多くのIMGがアメリカに流れ込んできており、アメリカ人の立場を脅かしています。(ここでは詳しく言及しませんが。笑)では、加速するIMGの流入を食い止めるためにはどうしたらいいのでしょうか。

 

それは、IMGにとっての入り口を狭くすることであり、具体的に言えば「CSを難化させる」ことなのです。STEP1や2CKのような学力試験では、AMGとIMGでは大きな差は生まれません。むしろIMGのほうが優秀かもしれません。しかし、CSでは英語力が評価されるため、その評価を厳しくすることIMGにとって圧倒的に不利な試験にすることができるのです。CSに合格するためにはCIS、ICE、SEPの3項目全てに合格する必要があることは既知の事実かと思いますが、このSEPこそがまさに英語力を評価する項目であり、日本人を含めた多くのIMGが「SEP落ち」しているのです。

 

CSの評価方法の見直しは数年ごとに実施されており、最近は2018年9月に行われました。見直しの度に「SEPの評価が厳しくなること」が公式アナウンスされますが、特にこの2018年以降のSEPの評価基準は極めて厳しいものとなったのです。それまでは基本的な英会話力がある程度あれば、「完璧に」準備をしなくても合格することができたのですが、2018年9月以降はその「完璧さ」が求められるようになったのです。(続く)