前回投稿よりあっという間に1M経過。
Chicagoは少し涼しくなってきました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34238012/
Root Dilatation Is More Malignant Than Ascending Aortic Dilation
J Am Heart Assoc.
Yale大学からの論文。
題名に魅かれて読んでみました。
Yale大学のデータベース1162名に関して、mid-Asc. AoとRootの径を計り、
その後の経過をretrospectiveに調査したようです。
現在のガイドラインであるAsc. Ao径 55 mm以上、connective tissue disorderの場合は 50 mm以上は
どうなんだという疑問だそうです。
composite end pointは
①type A dissection/rupture/Asc. Ao related death
②上記+all cause death
mid-Asc. Aoは大体PA分岐部位で計測したようです。MRIかCTで計測、TTEやTEEは用いていないようです。
mean Age 70.2、68%が男性、connective tissue disorderは3.6 %、bicuspidは22 %。
結合織異常は少ないかな。
meanのRoot diameterは4.02 cm、Asc. Aoは4.33 cmだったみたいです。
その内、545例はelectiveの手術施行、
120がdissection、2 rupture、8 Asc. Ao related death、119 death of other/unknown death。
残りの368例は生存と。
まず、諸々のCE①②に対する因子として、有意差が出たもので、下図
Factor | Hazard Ratio | p | |
CE① | mid Asc. Ao diameter | 0.97 | 0.040 |
Root | 1.05 | 0.006 | |
Height | 0.97 | 0.004 | |
CE② | mid Asc. Ao diameter | 0.98 | 0.087 |
Root | 1.03 | 0.017 | |
Height | 0.97 | 0.000 |
Cox回帰分析で、Rootに関しては大きいほどRisk Factorだという結果が出ました。
mid Asc. Ao diameterはHazard Ratio 1未満ということですね。
後は身長が低い方が危険性が高かったみたいです。
次に、どのくらいの径になったらeventが増えるのかという話ですが、
上図が、最大短径で見た場合です。黒線がCE②で赤線がCE①です。
ガイドライン通りに55 mm位で急カーブになっていきます。
上がmid-Asc. Ao diameterで、下がRoot Diameter。
Y軸がリスクで、X軸が動脈径です。
R2乗は大分1に近い、ということで統計的には有意だそうな。
本文ではmid Asc. Ao >52.5 mm、Root >50 mmがcut offだったそうです。
Y軸で見るとわかりますが、Root径の方がRiskが高い。
結論として、現在のガイドラインよりも少し厳し目のカットオフが勧められるということでしょうか?
個人的には、まぁ、Rootにしろ上行にしろ、50 mm近辺というのは危険かなと。
で、最後のが上の図なのですが、それぞれの患者さんのRoot径と、上行径とで、危険性を色で表してます。
単純に表の左上に行くと上行径>Root径になるのですね。
Root径>上行径は危険とも言えますね。
昔、某大学勤務時に、大学病院ということで、手術中の検体をすべて病理に提出するんですね。
その時にRoot拡大のある症例はほとんど全例cystic medial necrosisという結果が出てたのを思い出しましたね。
Marfan etcでなくてもね。
September 18, 2021
AN
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