謹賀新年
このBlogをご覧の皆様、2022年もどうぞよろしくお願いします。
私は、2021年12月31日にIABPを抜去して、その患者さんが2022年1月1日にECMO挿入になるという年越しでした。
不安なスタートですね。
で、DCDの話です。
一般的なのはDBD (Donor After Brain Death)で、脳死後のDonorです。
DCDは、脳のダメージは重篤で、恐らく回復の見込みはないだろうけど脳死のクライテリアに入らないものだそうです。
Donor After Circulatory Deathの略です。
シカゴ大学は、HeartはDCDやってないんですね。(いまのところ)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34922742/
Feasibility and Potential Impact of Heart Transplantation From Adult Donors After Circulatory Death
J Am Coll Cardiol
アメリカの移植のデータベース(UNOS)からの2020年1年間のデータ。
2020年のDCDドナーで行われた心移植の成績出してる。(DCD-HTs)
2020年1年間で、18歳以上では、DCD-HTsは127例でしたと、その間DBD-HTsは2961例だったそうです。
DCDに関しては3600例くらいドナー候補がいたけど実際に使用されたのは136例だったそうです。
一応multiorganやre-transplantationは9例でexcludeしてます。
使用された群と、そうでない群と比較すると、
使用された群の方が若かったり、LVEFが良かったり、DMだったり高血圧の既往なんかも少ないという結果だったようです。
まぁ、良い心臓ということですね。
DCDとDBDとの比較ではいわゆるStatus 1とかIABP入ってるのはDBDの方が多い結果だったみたいです。
Total ischemic timeとかO型、LVADはDCDの方が多いと。
現在のHeart allocation systemではECMOとかIABP入ってる人はStatus 1,2なので結構すぐにDonor見つかるんですね。
シカゴでは毎週木曜の朝に移植カンファあるんですけど、そこで、Statusごとの患者さんの一覧が分かるので、
週末の心構えが違ってきますね。
短期成績ですが、DCDでの30 days mortalityが0.8 %、6M mortalityが5.4 %という結果でした。
同時期のDBDでは3.3 %、7.6 %ですので良いという結果だったみたいです。
有意差はありませんが、で、propensity matched でも有意差は無かったみたいです。
結果は下図のまとめです。
このStudyでは、DCD-HTsのプロトコールとか術式については何も書いてないんですね。
TransmedicsのOCD使ってるのかその辺は不明です。
あと、術後にどれくらいPGD(primary graft dysfunction)があって、ECMO入ったとか、その辺も不明です。
ただ、DCD-HTsは確実に増えてますね。Donorのshortageは大分問題ですしね。
最近、豚の心臓の人間に移植したというニュースがありましたが、
これは、xenotransplantationといって僕が大学の医局に入局して担当した最初の抄読会のネタでしたね。
全く記憶に残ってませんでした。
その時のスライドの一部が下のものです。大分古いデータですが、いろいろやって豚が良いという結果みたいです。
January 14, 2022
AN
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