Team WADA 学生インターンの徳永康太です。久しぶりに医療面接を受けてみました!
今回の症例はこちらでした。
Case: 49 years old man with possible sleep apnea
His wife noticed that he sometimes stops his breathing during his sleep, but he isn’t aware of it. He is a marathon runner so physically very fit and well. He has had some episodes of bradycardia of around 40-50 bpm.
He frequently feels very tired, that he has not had enough sleep and is often very sleepy during the day.
Task: please give him examination and treatment plan to him.
今回の患者さんの症例では徐脈、睡眠不足があり、鑑別疾患としては①甲状腺機能低下症、②sleep apnea、③うつ病を考えました。
①甲状腺機能低下症を鑑別するためには寒がり、便秘や体重の変化、
②sleep apneaについてはobstructive sleep apneaを鑑別するために睡眠中の大きないびき、central sleep apnea を鑑別するためには心臓の疾患の聴取、
③うつ病を鑑別するために、最近のストレスの程度などを問診すると心に決め、医療面接を受けてみました!
医療面接では、睡眠中のいびきが大きく、睡眠中に呼吸が止まるが患者本人は睡眠中の呼吸困難を認識していないということが明らかになりました。心臓は徐脈以外は異常と考えられる所見は認められませんでした。
この患者さんはマラソンをするとのことで、心臓の徐脈はアスリート心臓により説明できると考えました。また、大きないびきと睡眠中の呼吸困難、自覚症状の欠如から軽度のobstructive sleep apneaと考えました。追加検査としては甲状腺機能低下症の選択肢を排除するためにblood test, 睡眠中の情報を得るためにpolysomnography を実施すると伝えました。
最終的な診断
咽喉部のadenoma によるobstructive sleep apnea
反省点
1.十分な問診を取らなかった
致命的な問題点ですが、問診が少なすぎました。睡眠中の無呼吸の長さや一日の睡眠における無呼吸の頻度、薬の服用といった基本的かつ極めて重要な問診を忘れていたため、鑑別診断を考えるときにこのような情報無しで決めないといけず、当てずっぽうの診断となってしまいました。次回こそは問診を徹底的に調べます。
2.polysomnography の選択
polysomnography 自体の診断は悪くないものの、患者さんにとってより簡単な代替案を提示するべきだとご指摘をいただきました。実際にpolysomnography をする場合、患者さんは、頭に機材をつけたまま病院で睡眠をとる必要があり、普段と同じ睡眠の質を担保できない可能性があります。代替案の一つとして例えば最新のアップルウォッチがあります。最新のアップルウォッチは自宅で就寝しても心拍、酸素濃度、心電図を自動で測定できます。アップルウォッチ以外にも、現在は自宅で患者さんの身体の情報を計測できる医療器具が存在するため、患者さんへの検査を考える際は負担の少ない検査を考えるべきとアドバイスをいただきました。
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