こんにちは!チームWADA学生インターンで名古屋市立大学医学部5年の宇留間です。毎週土曜日、日本時間の20時から行われています(11月からは21時スタートです)、英語で医療面接をする勉強会の運営をさせていただいています。University College London Hospital で病院看護管理職をされているMayumi先生のご指導の下、先生が実際に臨床で経験した症例を使って医師役が英語で問診をし、その後Mayumi先生、他の参加者、患者役から英語でフィードバックをいただくという勉強会になっています。前回、私が医師役をやらせていただいたので勉強会の内容を簡単にご紹介します。

 

今回の症例は18歳女性で精神的に気分が悪く、BMI 6の方が学校で転倒したためにお母さんに連れられて救急外来に来たケースです。患者さんは6か月間きちんとした食事をとっておらず、お母さんは学校で友達関係に何か問題があるのではないかと思っている状況でした。お母さんは赤ちゃんの子育てで忙しくて患者さんとうまくコミュニケーションがとれておらず、患者さんはお母さんと話をしようとしません。このような患者さんに対してどのように問診を進めていけばよいでしょうか。

 

患者さんと家族の関係が良好でないケースは実臨床でも珍しくなく、私も家族に報告をしないでほしいと訴える患者さんを目にしたことがあります。また、反抗期の子供が親に口を利かなかったり、虐待などで精神的なダメージを受けている子供が親に対して抵抗できない状況などもあるでしょう。そのような患者さんと付き添いの家族に対していくら医師が問診で質問をしてもなかなか患者さんは状況を説明しようとしてくれません。今症例でも、患者さんは学校で何か嫌なことがあったのかと聞いても何もない、体調は悪くないのかと尋ねても大丈夫としか答えてくれませんでした。これでは正確に患者さんの情報を得られません。このような患者さんの問診をする場合は付き添いの家族に患者さんと一対一で話がしたいということを伝え、診察室の外で待ってもらうようお願いすることで患者さんが家族に言いづらいことを医師に伝えられる環境を作ることが大切になります。また、今症例は救急外来のケースなので、精神科的な質問をするよりも致死的な病態である低血糖、意識低下、甲状腺機能低下症を否定できるような質問を優先して問診を進めていく必要があります。さらに子供のケースでは虐待を疑って問診をする必要もあるでしょう。患者さんが問診を受けやすい環境を整えることの大切さを今症例で実際に医師役をやってみて痛感しました。

 

少し話は変わりますが英語の表現について指摘されたことをご紹介したいと思います。英語で何か困っていることがないかと患者さんに聞きたい場合、Do you have any problems at school? などと聞いてしまいがちですが、problemやtrouble といった単語はネガティブな印象を与えてしまうので医療面接で使うのは避けたほうが良いということです。What are you worried about? やWhat kind of things are you struggling with? と聞くのがよいでしょう。

 

Mayumi先生は豊富なイギリスの医療現場の知識をシェアしてくださいます。不法滞在者のような住居不定の患者さん、政治的に崩壊している国からの移民で一般常識が通じない患者さんなど、日本では出会わないような患者さんを目にすることも多いそうで、そういった患者さんにも適切な問診ができるようになる必要があります。海外留学を目指すうえで重要な医療面接の練習ができる非常に素晴らしい勉強会ですので、興味のある医療系学生や先生方のご参加、お待ちしております!また、前回と前々回、医師役をやってくれた学生の記事もありますのでこの勉強会が気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。今後も医師役をやった学生がブログで報告していきますので楽しみにしていてください!

それではHave a nice day! Bye-bye 🙂

 

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