こんにちは。Team WADA学生インターンの京都府立医科大学6年の原です。今日は毎週土曜日夜8時から開催されている英語での医療面接練習会について記載させていただきます。

本企画は毎週土曜日の夜8時(日本時間)からUniversity College London Hospitalにて病院看護管理職として勤務されているMayumi先生のご指導のもと、協力いただいているネイティブのゲストに患者役をお願いし、学生のうちからひとりを医師役に立て、実際にあったケースを想定しながら医療面接を行うという企画です。ケースにも様々な種類をご用意いただいており、シンプルな初診で問診→鑑別疾患という流れのものからなかなか治療アドヒアランスが向上しない患者への対処の仕方など臨機応変な対応を求められるケースもあります。

私が先週の医師役をさせていただきましたので、その大まかな内容についてご紹介させていただきます。

 

<内容>

高血圧で一度外来受診をされた患者さん。前回の受診の際に降圧薬を処方していたがアドヒアランスがよくなく、血圧も危険な水域まで上昇していた。信仰心が強く、信仰の場において勧められた民間療法を絶対的に信頼し、伝道師の言葉に従って日々生活をしている。このような患者の血圧コントロールに対して医師として適切な介入は・・・?

 

治療アドヒアランスの悪い患者さんへの対応は日本の日常診療においてですら手こずることも多いのではないでしょうか。実際にポリクリの外来見学でも服薬指導に難渋する患者さんを何人も目にしてきました。このような患者さんに対しては日本語でも慎重に言葉を選ばないと医療者側からの上から目線の指導になってしまいやすく、非常に繊細で難しい状況です。ましてや英語でそのような状況に遭遇してしまったら・・・さらに日本ではほとんど遭遇することのない非常に強い「宗教的価値観」についても考慮する必要がありますね。しかもこのケースはMayumi先生の周辺で実際に経験された、海外の医療圏では至ってcommonはケースなのです。臨床留学を志す人たちはこのようなケースを避けては通れないでしょうし、毎週このようなケースについて考えさせていただけるこの企画は非常にありがたいものだと実感しております。

また、本企画では参加者の皆様からフィードバックをいただき、どのように医療面接の質を向上できるのかを多彩な目線から指摘いただけます。それに加えて、Mayumiさんから色々と現地で医療者として働く上での注意点や将来に備えての準備など日本にいては絶対にわからないような情報、アドバイスをたくさんいただいており参加しているインターンたちにとっては目指す目標に向かって準備するべきことを明確にできる素晴らしい機会となっています。

 

このような医療面接の練習は実際に臨床留学をした際はもちろんですが、USMLEのstep2CS (現在は廃止、いつか復活するかも?)対策やOETの対策、job interviewの対策としても大いに役立つことは間違いなしです。また、前回のKanaさんのブログ(*1)を見て初期研修医のMariko先生も今回参加いただきました!対象は臨床知識のある4年生以降ですが、ご興味のある学生の皆さんや先生方のご参加もお待ちしております!学生の方はインターンも随時募集しておりますのでぜひご参加ください!

 

追記ですが、Team WADAのYouTubeで「外科レジデンシーにマッチする方法」(*2)について代表の北原先生と一緒に、アメリカの血管外科レジデント塚越先生にインタビューさせていただきました。アメリカ外科レジデンシーに興味がある方をはじめ、みなさまぜひご覧ください!

 

それでは皆様、今週も良い1週間をお過ごしください!

(*1)Ns.Rossi and Team WADA student blog

 

(*2)