シカゴ大学にマッチしてから、まず一番最初に取り掛かったことはH1B visaからGreen Cardに切り替える作業だった。ビザ保持者であるために受ける制約にさんざん悩まされてきて、その制約を早く除去したいこと以外にもいくつか理由があった。一つはH1Bは原則最長6年のため、GIの後に治療内視鏡フェローに応募するときに困るであろうこと、もう一つは中長期的にトレーニング後に米国に残る選択肢をした場合に、ビザ所持者と永住権保持者とでは、アテンディングとして選択できる条件・勤務地に圧倒的な差があることだった(このことは先週と先々週にもライブに出演された先生が仰ってましたが、僕も100%同感です。ビザをなるべく“後回しにしない”ことですね)。ピッツバーグでのレジデント時代に、肝臓病理を個人的に指導して頂いていた日本人の病理アテンディングの先生に予め相談していて、移民専門の弁護士を教えてもらっていた。H1Bの(ピッバーグ大学からシカゴ大学への雇用主変更に伴う)書き換えが済んで、シカゴでのフェローが始まってから個人的にそのピッバーグの弁護士に連絡を取り手続きを始めた。Green Card取得で何よりも役に立ったのが、今までに細々でもコツコツ積み重ねてきた学会発表、論文、そして臨床研究を指導して下さった指導者からの推薦状だった。移民局との手続きを知り尽くした弁護士チームのおかげで、最優先のEB1カテゴリーで承認された(最初に弁護士事務所に電話を掛けた日から10か月かからずに手元にGreen Cardが届いた)。クリーンカードと共に入っていた、”Welcome to the United States of America”という紙を目にした時、ホッとして嬉しかった感情と共に、なんとも表現しにくい種々の感情が入り混じった感覚を覚えたのを思い出す。