SJC-24のところで、50 Landmark Papersシリーズについて書きました。
上のリンクは購入したVascular Surgeryで、そこに載っていた論文。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8433431/
Experience with 1509 patients undergoing thoracoabdominal aortic operations
J Vasc Surg
1993年の発表、大分古いけどまさにこの分野のLandmark Paperだそうだ。
著者も豪華、Svensson、Crawford、Coselli、Safiと、Texasオールスターです。
1960年から1991年までの1509例の検討。
ちなみに術者は多分Crawfordひとり。下の図はいわゆるCrawford分類。
大体、Extent1~4で分類していて、均等でした。
手術方法としては、inclusion techniqueで縫ってるみたい。T8-L1のinterocostalは再建。
distal aorticのperfusionはatriofemoral bypassみたい。左心バイパスかな。17 %で使ったみたい。
その他はclamp and sawですかね。
meanでcross clamp timeは43 min、ついで、visceral vesselsは36 min。
で結果、箇条書きで。
・30 days-mortality: 92 %、in-hospital mortality: 90 %
・paraplegia/paraparesisは16 %、45%がpalaplegia、55%がparaparesis、0.5%がneurogenic bladder dysfunction
・呼吸器合併症は33 %、長期人工呼吸、気管切開、胸水貯留等、全て含めてるみたい。
・心臓合併症は12 %、MIとかAfibとか。
・Cr>3の腎機能低下は18 %、dialysisは9%
そして、30-day deathsに対しての因子としては
・術前の、age、creatinine level、proximal aneurysum to lt. SCA、COPD、Ao遮断時間
・術後も加えると、age、proximal aneurysm、COPD、そしてstroke、renal/cardiac complication、GI bleedingとか起こすこと
みたいです。
paraplegiaに関しては
・extent of aneurysm resection、やっぱりextent 2が悪い。・Ao遮断時間・rupture・proximal aneurysm・術前の腎機能低下
が危険因子だったみたいです。
腎機能に関しては
・年齢・術前の腎機能・stroke・visceralのischemic time
が有意差出た危険因子だったみたいです。
で、下の図はKaplan-Meier曲線。
A:atherosclerotic heart disease
B:aortic disection
C:post operative paraplegia/parapresis
D:kidney function
でみた長期予後
時期的な問題か、CSF Drainageは使用してないみたいです。
むしろ否定的な意見が書かれてました。
Discussionでは、動物実験の結果等、いろいろ書いてありました。
・術後早期のparaplegiaは、術中のspinal ischemiaによると、ということで、遮断時間やinterocostalの再建の成否によると。
・術後delayedのparaplegiaは血圧低下や呼吸器合併症など、multifactorにより、spinal cordのoxygenationの低下によると。
大分古い知見ではありますが、一度読んでみる価値はあるかと思いました。
June 19, 2021
AN
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