肺移植の話題。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31596484/

Long-term Outcomes of Lung Transplant With Ex Vivo Lung Perfusion

JAMA Surgery

 

トロント大学からの論文。

Ex-Vivoのlung perfusion(EVLP)使用した肺移植の成績の話。

肺移植の待機患者さんは、15-20 %の死亡率だそうで、donorを増やす目的で開発されたそうだ。

Donorからexplantされた肺が、normothermicでperfusionされ、ventilateされる。

長時間臓器保存できるということだそうです。

 

UofCでは下のsystemを使用してる。

この、論文では、2008-2017年の肺移植980例をretrospectiveに検討。

44例excludeした後、706例のnon-EVLP群、230例のEVLP群で比較。

 

Donor Characteristicsとしては、年齢は差なし、差があるのは、

EVLP群でDCD donorが多い。95例(41.3 %)、non-EVLPでは46例(6.5 %)。

逆に、BDDに関しては、non-EVLP群で多い。

あとは、preprocurement PaO2:FiO2 ratioのmeanがEVLP群で348 mmHgと低い。

non-EVLP群で422。有意差あり。

後は、Total preservation time (cold ischemic time1 +EVLP time + cold ischemic time2 + implant time)と、

Cold ischemic time(1+2)は、EVLP群で長い。有意差あり。

ちなみに、cold ischemic time1: EVLPマシンに接続するまでの時間、cold ischemic time2: EVLPマシンを外す時間。

まとめると、マージナルなDonorに対してEVLPマシン使用してるということでしょうか?

 

Recipientに関しては概ね大きな差はなし。

COPDが2割くらい、ILDが4割5分程度、single lung transplantはEVLP群で多い。(有意差あり)

このStudyのend-pointはDeath、retransplant、chronic lung allograft dysfunctionなのですが、

3つとも両者で大きな差は認められませんでした。

median f/uは、898 days in EVLP group、1182 days in non-EVLP group。

 

  Graft Survival CLAD free
  3y 5y 9y 3y 5y 9y
EVLP 73 % 62 50 70 % 56 53
non-EVLP 72 58 44 72 56 36

 

総じて、EVLPが有用であるということでしょうか。

preservation timeが延長してoutcomeが非劣性ですからね。

 

移植はあと感染症の問題とか、いろいろ私自身分からないことが多いと感じる今日この頃です。

 

April 18, 2021

AN