医者11年目から、タイのチェンマイ大学に留学してました。
2013年から2014年になります。
この留学は、完全に医局のコネで、私が4代目でした。
EDビザ(Educationビザ)というもので、無給の立場ではありましたが、
当時タイの物価は日本の約1/3であり、特に生活に苦労はしませんでした。
何でタイへ?という質問はあると思いますが、単純にUSMLE合格してなかったのですね。
私は2003年卒業で、初期臨床研修の前の世代になります。
ご多分にもれず、大学卒業後、母校の外科学教室に入局しました。
1年間大学で教育という名の、採血、雑用に明け暮れ、さらに、2年間、一般消化器外科として関連病院へ出向し、
その後、心臓外科へ入りました。
医師として10年間、真っ当なトレーニングというものを受けてこなかった自分にとっては、
毎日毎日、胸を開ける、Graft採取する、cannulationして人工心肺を立ち上げる、Main Partの術者/助手を行う、
止血して、閉胸する。という、初めて真っ当なトレーニングを受けた気がします。
私のMentorでもある、当時のChiefのWeerachai先生の方針で、どんどんやらせて貰えましたね。
1年半で、550例程度にScrub、術者としては50例程度でしたが、部分的な執刀を含めると大分経験を積むことが出来ました。
タイの研修制度は、アメリカのResidencyと同じで、AttendingとTraineeの区別が明確でした。
はっきりと、『これはこうしろ』『針はこう持て』『このNeedle AngleでStichをかけろ』という指導は
私が経験していたあいまいな日本式とは違いました。
特に、リウマチ性の弁膜症が大多数で、simple caseが多く、基本的な手技をよー学んだなぁ、と思います。
小切開手術は行われてましたが、移植、TAVR、ロボットなんかは行われていませんでした。
デング熱にかかって手術中に失神したり、軍部によるクーデターが起こったりと初めての海外生活で大変ではありました。
ただ、土日は完全OFFでしたし、手術室とICUのみのdutyだったのでQOLも良かったです。
そして、タイのレジデントはよく勉強していました。
アメリカ式のレジデンシーでしたが、80時間ルールや、NP/PAシステムは無く、CT Surgeryのレジデントが心臓外科ローション中は院内待機という恐ろしいルールがありました。(チェンマイ大学の場合、学生、レジデント用のドミトリーが敷地内にあり、無料でした。レストランなんかも院内に豊富にありました。)
自分ももっとやらなければだめだと思いました。
もともとアメリカ留学を考えていたので、タイへの留学前に1Mのフリーの期間を作って、集中的に勉強してStep 2CSに合格しました。タイの留学中にStep 3を取得して、次はアメリカ行きだと意気込んでいたのですが、Step 3に合格することは出来ず、
Weerachai先生も退官されて、Private Practiceに移るということもあり、1年半でFellowを卒業し日本に帰国しました。
January 31, 2023
AN
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