お邪魔いたします。シカゴ大学太田です。

 

誰かのある種のこだわりは、そのうちに「ルーティン」となり、そのルーティンが次の世代に引き継がれた頃より「伝統」へと変化します。そして時代を越えると「神話」になるのだと思います。北原先生がシカゴ大学にいた頃のルーティンは、誰かが見学に来てくれたら、必ず最初にブリーフィング、ディナーに行ってWADATシャツの儀式、最後にデブリーフィングで締める、そしてブログの投稿を自由に書いてもらう。というものでした。世代を超えた今これはシカゴ大学の伝統として受け継がれています。伝統に則り、先日まで3ヶ月の短期留学に来てくれていた橋本先生にもブログ投稿を依頼し、今回書いてくれました。以前の北原ブログの時代は頂いた原稿をそのまま掲載するスタイルでしたが、私は伝統に少し変化を加え進化する目的でこのように私なりのコメントを少し書いていくのをルーティンとしたいと思います。橋本先生はあらゆる面においてイケメンなナイスガイです。以下に頂いた投稿を掲載します。詳細がわからない点や続報も今後シカゴ大学からの動画やブログの発信を見ていただければ徐々に合点が行くと思います。

 

以下、橋本先生による本文。

 

今回、JATS フェローシッププログラムにてシカゴ大学心臓外科学講座に短期留学させて頂きました。少しですが、ブログに総まとめを書かせて頂きます。

 

シカゴは今回が初めての訪問でした。今回滞在していたのは、5月から8月にかけてでした。その間、ほぼ毎日天気が良く、清々しい気候で、そして都会と自然が良い感じで融合しており、本当、シカゴ最高って思いながら日々を過ごしていました。今年の1月からシカゴ大学に留学してきていた日本人フェローのN先生は、冬の過酷さが脳裏から離れない様子でしたが

 

ところで、私が留学先をシカゴ大学に選んだのは、TECABでご高名なDr. Balkhyの下、ロボット手術を勉強したかったからです。Dr. Balkhyとは色々と一緒に仕事をさせて頂き、本当にお世話になり、感謝しかありません。医療技術だけでなく、人柄、人望など含めて、全てが超一流の先生でした。今後も一緒に色々と仕事していけたらいいなーと思っています。ロボット手術に関してですが、毎日のように多彩なオペをこなされていましたが、beating heart TECABは圧巻でした。なんとか、日本でこれが出来ないかなーと模索中です。

 

さらに、シカゴ大学にはご高名な太田先生がattendingとして御在籍です。私の留学に関して本当に多くのサポートを頂き、感謝してもしきれません。太田先生、出世払いを期待して下さい。先生のようなボスを目指して頑張っていきます!

 

それはそうと、太田先生とは留学初日に、僕のシカゴ滞在中の目標を話合いました。臨床面、学術面の話はすんなりと終わりました。その後で、最大?のタスクとして、トマトやバジルを育てて、カプレーゼにして食べようと言われました。最初は冗談かと思ったのですが、土などの栽培グッズも既に準備されており、すぐに本気であることに気づかされました。数か月で育つのか心配しながら育て始めましたが、バジルは早々に全滅しました。トマトも芽は沢山でてきたものの、実がなる気配はなく終わりました。何がいけなかったのでしょう。追い打ちをかけるように、トマトの鉢植えにはコバエが沢山たかってしまいました。上述のN先生の机の側で栽培していたことから、N先生には多大なご迷惑をおかけしました。今はその鉢植えはどうなっているのでしょうか。N先生が怒っていないことを願います。

 

結局カプレーゼは不可能そうだったこともあり、途中でクラフトビールを作ることになりました。アメリカではビール醸造セットなるものが売っています。ビールを作る工程は数工程あるのですが、最初の樽詰めは私の家で行いました。そこでは予想外のハプニングがあって大変でした。まさか、夜な夜なアパートのごみ置き場をあさりに行ってあんなものを見つけるなんて、思ってもいなかったです。あれは僕のじゃありませんからね?それはそうと、あの時の皆の私を見る冷ややかな目線といったら、、、。神戸大学からリサーチフェローでシカゴに留学中のK先生、神業としか思えないことをしましたね。また数年後再会したときに、あのビデオを見せて下さいね。尚、ビールの出来栄え、最高でしたね。本当に新鮮でおいしかった。写真は、シカゴを去る直前、出来立てのビールで一杯やっている自分です。

 

 

 シカゴ大学での短期留学、本当にいい思い出しかありません。こんなストレスフリーで有意義な時間は物心ついてから初めてだと思います。本当に充実した日々を過ごさせて頂きました。太田先生を始め、Balkhy先生、上述のN先生とK先生、その他、関わって頂いた多くの方に心から感謝しています。

 

尚、シカゴから帰ってきたら自分の病院が大変です。しかし、シカゴの日々で多くの経験をし、色々な人と接し、視野が広がったはずの自分は、この苦難を前向きにしっかり乗り切ります。

 

まとまりのない総まとめになりましたが、以上です。拙い文章でしたが、少しでもシカゴでの日々の雰囲気が伝えれたのなら幸いです。

札幌心臓血管クリニック 橋本 誠