お邪魔いたします。シカゴ大学太田です。

 

司会者「デーモン閣下は歌がお上手ってちまたで噂になってますけど?」

デーモン閣下「うむ。プロの歌手なのだから歌は上手くて当たり前なのではないかね?」

 

私が中学生の頃だったでしょうか、人気歌番組内で当時聖飢魔IIボーカルのデーモン閣下が、甲高い声の司会者の質問に答えた場面です。

「プロの歌手なのだから歌が上手いのは当たり前の大前提であり、その上で相手に何を与えられるかが大事である。そこがプロと素人の違いだ」

という趣旨のことを話していたと思います。正論なんて言葉も今ほど出回ってない時代でしたが、言われてみれば当たり前のことを当たり前のように答えられる閣下の様子が何となく印象深くて今でもよく覚えています。

 

「割といい加減なくせに、しつこくてねちっこい」。なかなか悲惨な評価ですよね。つまり私のことなんですけどね。たまによく言われるんです(どっちやねん)。でも言い換えると「不器用であるが、我慢強く努力を重ねる」なんて言い方もできると思います(物は言いよう)。そしてどの場面をもって私を評価するかにもよると思うのです。例えば部屋の掃除です。一人暮らしの時は大体毎日同じ行動しかしないので、よく使うところはどんどん汚れていき、使わないところには埃が溜まっていました。「掃除したくなる閾値」が比較的高く、且ついい加減で怠惰なのも手伝って、大概汚れまくるまで掃除はしませんでした。しかし、一旦掃除を開始するとしつこくてねちっこいので、もとい、我慢強く努力を重ねる性分で、オタク男子ゴミ溜めハウスが意識高すぎ系インスタグラマーよろしく新築ピカピカハウスになるのです。ゴミに埋もれてテレビを見ながらコンビニ弁当を食べているところを見られれば、「太田くんは。。。。まあいい人なんだけどねぇー」(だから何?!)って言われるでしょうし、ピカピカハウスで意識が天井を突き抜けて高いところを見られれば「キャ!太田くん、ステキ!!」ってなることでしょう(ならない)。つまりは物事には過程と結果があって、結果が良ければいいんでないかい?ってことですよ(いい加減)

 

最近、私はよくTwitterでスイスイとツイート巡りをしています。あ、ちなみに私のアカウントこちらです@VicePresidentTW (宣伝すな)

ネットの広い世界を見聞きして大海原を駆け巡るのだ!と意気込んではいますが、結局自分の限られた思考で出てくる場所にしか行きつかないネットの特性上、結局は「心臓外科医の水たまり」のような領域をぐるぐると徘徊しています。そこで最近話題になっているのが、手術のクオリティとスピードの話です。クオリティを上げるには手術経験数が必須だ、クオリティを犠牲にしてスピードを上げても意味がない、スピードを追求せずクオリティの完成などあり得ない、スピードとクオリティの両立が大事、スピードのない下手くそは手術やめろ、私は誰よりも手術が速い、とりあえずクオリティの低い奴は手術やめろ、手術経験数が少なくてもクオリティを保つことはできる。いろんな人がいろんなこと言ってます。まあどれも本人にとっては真実であり大事な哲学であるのでしょう。いい加減な私としては、どれもすんなり接受することができます。ただ意識高い系の私がしゃしゃり出てきた場合、ふと思うこともあるのです。幾度も手術を重ねてきて思うのは、ほとんどの患者さんにとって手術とは一生に一度きりであり、命をかけた大勝負であるということです。速いか遅いか、経験数が云々とかではなく、その一回きりの大勝負に勝つか負けるか、手術が成功するか失敗するかの2択なのです。そもそも外科医達が速いだの上手いだのSNSで自尊したとて、患者さん達にとっては何の意味もないことです。また同じ術式であっても、患者さんが違う時点で「同じ」手術ではなく比べることに何の意味もないと思うのです。確かに経験症例数、手技の速さや技術のクオリティは外科医のトレーニングにおいて特に重要視される事項であるのは事実です。そしてそれらの過程もとても大事です。しかし、主役は患者さんであるという観点からすると、手術という事象に関しては結果のみが最も重要であり、最終的に意識高い系のピカピカの部屋になるかどうかのみが重要なのです。そんな手術を任されるプロフェッショナルとして、スピードが速くクオリティが高いのは当たり前のことなのではないでしょうか?速くて上手なのは当たり前の大前提として、その上で相手に何を与えられるか?つまり「手術の成功」を与えるのが我々プロの心臓外科医の役目だと思うのです。

 

。。。。どうですか?「キャ!太田センセ、ステキ!!」ってなりました?

(ならない)

(舌先三寸)

(有口無行)

(同じ穴の狢)

(おととい来やがれ!)

(四角い顔しやがって!)

(クラスのマドンナのリコーダーを放課後にこっそり舐めてたのバラすぞ!!)

わかったわかったすいませんすいませんって。ちゃんとわきまえますって。

(「すいません」じゃなくて「すみません」)

(草wwwww)

す、すみません。。。皆さんもネットの世界にはお気をつけくださいませ。

 

あ、そうだ忘れてた。マラソンですね。これも私がいい加減なのにしつこいカテゴリーに属するものの一つです。全然やる気ないのですが、なんやかんやで10年以上続けています。心臓外科医としての取り組み方とはほぼ真逆で、結果には全く関心がありません。かといって過程に重きを置いているというわけでもないのですが。。。これは私の「しつこいスイッチ」のみが入った特殊な例でして、ただ単に続けているだけです。だってしんどいし、全然練習もしないもんだから体に悪そうだし、何より走っている間ひとりぼっちで誰ともしゃべれないから暇でしょうがない(なんで走ってるの??)。そんな折、先日(だいぶ前)いろんな事情でサンディエゴロックンロールマラソンを走ることになったので、走ってきました。で、ついでなんで大野先生に電話してマラソンラジオ実況中継をしてみました。今回は、いろんな方々が(4人ほど)おっさんずラジオ初出演(?)して下さってます。「結果的」に割と長くなってしまったのですが、師走の忙しいこの時期にとんでもなく暇な方はぜひ聴いてみて下さい。

 

 

皆様、今年もチームWADAの活動を支えてくださりありがとうございました。来る年も変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願いいたします。コロナ禍の折、お体を大切に、よい年を迎えられますようお祈りいたします。

 

副代表 太田

 

 

 

余談ですけど、一応自己弁護しときますけど、私はリコーダー舐めたりしてないですよ?

(お前でなけれ誰がやるというのだ?!)

まあ大野先生かなあ

(変態でないとそんなんことしないでしょ)

(証拠うp)

あ、大野先生は変態ですよ?

(そなのか!解析班よろ!)

(DNA鑑定なら任せろ)

(大野先生はクラスのマドンナのリコーダーを放課後にこっそり舐めていた。で、よろしいか?)

よろしいです!

(おけ!うpする)

(それは草wwwwww)

うんうん!それは草wwwwwwwwww(世渡り上手)