手術中になんもしてない微妙な時間がありますが、そんな時はアシスタントやナースが話しかけてくれます。自由会話はほぼ不可能なのですが、金曜と月曜は会話の内容があらかじめかなり高い確率で推測できます。

金曜「週末どうすんの?」

月曜「週末どうだった?」

です。そのため、週末やることさえ備えておけばスラスラっと答えることができるのです。しかしながら、特に何も備えがない場合

「ナッシング。。。」

と答え、周りもなんか「あっ(なんかまずいこと聞いちゃったのかな。寂しい人なのかな)」といった感じによくなります。

 

先週末同じ質問をされたので思い切って「ここではない、どこか遠くへ行こうと思ってる」と言ってみました。周りの反応はかなりいまいちでした。ということで前々から行こうと思っていた、屋外映画館(ドライブイン映画館)に行ってきました。アメリカっぽいアレです。最近は数がかなり減ってきているみたいです。

 

片道1時間半ほどかけてDCのとなりにあるメリーランド州のベンジードライブイン映画館に行ってきました。夜の7時から深夜1時まで映画3本ぶっ通しで流して10ドルと、安いがそんな遅くまでやらんでもと思います。

 

まず入り口でおじさん監視員(クルー)に止められ「ここに来るのは初めてか?ヘッドライトを消しな。ここは50年の歴史がある映画館だ」と矢継ぎ早に色々言われます。ヘッドライトはオフにできればいいのですが、何度やっても自動で勝手に点灯されてしまうため、最終的には足の下に履いてるシートを外してボンネットに挟むという裏技をクルーが教えてくれました。

 

映画館内はかなり広めで、スクリーンも思ってたより大きくかつ画質や音も思ってたより綺麗でした。

 

敷地内にポップコーンやジュースを販売する売店があり、ホットドッグは驚くほど美味しくありませんでした。

 

 

夜9時ころになると結構暗くなっていい感じです。車の中で座って観るイメージだったのですが、アウトドア用のイスをわざわざ持ってきて外で座ったり、車の後ろのボンネットを全開にしてそこに腰かけたり、とアウトドア派がけっこう多く見られました。上映中は暗闇の中をクルー達が「エンジンつけてないかー?そこ、エンジンつけてないかー?」と巡回しています。

 

 

理屈的に考えると、遠いし、色々めんどくさいし、ホットドッグまずいし、クルーの監視が厳しいし、なんなら映画館のシートの方が車のシートより快適だし、外は若干寒いしと、安くたくさんの映画を観れる以外の利点があまりないように感じますが、不思議ともう一度来てみようかな、と思わせる映画館でした。この魅力がなんなのかをしっかり表現できるよう、再度チャレンジしようと思います。