大学院生 女性からの 質問

 

PAやNPに関してご意見を伺ってみたいなと思いご連絡させて頂きました。現在私は大学院で日本版NPの育成コースを学んでいます。日本ではまだまだ制度も未熟で先輩方が手探りで活動されている様な状況です。制度として成立している海外で実際一緒に働かれてみて、 日本にも必要だと感じますでしょうか。

 

 

太田の 答え

 

仕事を分担し、シフトからシフトへと仕事を受け継ぎ、絶え間なくある一定のクオリティーのサービスを提供するとともに、患者さん一人当たりの医療従事者の数を増やし、より安全で充実したケアを可能にするであろう専門の国家資格を伴うPA/NPの制度は、非常に合理的であり、医療の質の向上という観点からも必要不可欠だと思います。

また、NPは看護師(RN)の上位に位置する進化系であり、任される裁量権や責任、そして給料について別格に上位に位置します。それゆえに、RNの多くは積極的にNPの学校に通い、みな出世を夢見てやる気に満ち溢れている傾向があります。必ずしもその通りではなく、また批判を承知で述べさせていただきますが、日本の制度下ではRNは一生RNであり、専門看護師や師長などの「出世」はもちろん存在するのですが、給料や臨床の裁量権はほぼ一生、予想の範囲を超えることはなく若い看護師が意気揚々と就職した時に、職場の大ベテラン、つまり自分の将来像を目の当たりにし、「よし!あれを目指してやって行くぞ!」という若者も、その後の長年に渡る激務で疲弊し、目の前にいる先輩方に今後の自分を投影し、変わらぬ毎日に向上心を失ってしまう傾向があるのが、今の日本のRN制度なのではないかと思ってしまうことがあります。そんな体制に激震を起こし、やる気のあるもの向上心のあるものを上へと引き上げるであろうPA/NP制度の導入確立には私は大賛成です。