先日EBMと合同で第2回Online手術トレーニングライブの生配信を行いました。今回は指導者の月岡先生と挑戦者の渡部先生にそれぞれ冠動脈吻合を行ってもらい、それを見ながら皆で色々なことを話しました。月岡先生は流れるようなニードルワークから左手の鑷子の使い方、視野の出し方など「さすが指導者」といった感じの雰囲気でした。挑戦者の渡部先生は初めてのオンライン吻合でしたが「こんなに手が震えるとは思わなかった」と非常に冷静かつ客観的に驚いていました。
今回面白かったのはこの緊張(?)による手が震える現象で、どれだけたくさん練習していても、練習中は全く手が震えることがなくても、本番になると手が震えてしまうというものです。今まで何人か冠動脈の決勝出場者の先生に話を聞いてきましたが、ほぼ全ての人が同じようなことを言っていました。しかし、この先生達はいずれもその震えを最終的には克服(共存)して決勝進出・優勝を果てしています。もちろん練習をたくさんやる、というのは最も重要だと思いますが、一体何が震えを生み出し、何がその震えを克服させるキーとなるのかを探究すれば、新たなトレーニング方法を産み出せるのではないかと思います。
アーカイブ動画があるのでぜひご覧ください。中堅外科医と若手外科医の手技の違いを比べて見てみるのもいいかもしれません。あと、終始白石さん頼み感はありました(白石さんの動画シリーズはコチラ)
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震えに加えて縫ってる時に焦点が合わなくなるような感覚を経験される人は多いと思います。
緊張で一時的に血圧が高くなってこの焦点が合わなくなる現象が起こっていると高名な先生が言ってましたが、実際にopcabの時に術者の血圧をマンシェットで測ったらかなり高くなっていたと一緒に働いた上司が言ってましたので満更間違いではないようです。
面白いですね。ライブトレーニング中に脈拍や血圧をモニターしたら何かいいデータが得られるかもしれないですね。
実は今回、血圧計を購入しまして、平常時とライブ前と測定していました。平常時は110/70、65bpmくらいなのですが、ライブ直前は150/85、85bpmになっていました。やはり緊張していたんでしょうね。
裏ですでにやっていたんですね。科学者ですね。
岡村先生、”番外編:βブロッカー チャレンジャーズの予選会で話を聞いていると、何人かは必ず飲んできている人がいます。”って事はまさかのドーピングですか?(笑)過緊張による震えはヨガ式の腹式呼吸で何とかなります。私も緊張しいなので、学会発表時はいつも腹式呼吸で乗り切っています(笑)
北原先生
先生のコメントに「手の震え」のことが書いてありましたので、コメントさせて頂きます。
自分が予選会に何度か出た経験上、予選参加者の半数以上(おそらく7〜8割)は手の震えで審査的には論外になっています。
実際に吻合も出来が悪いです。
僕も初めて予選会に出たときに、今まで感じた事のない震えを自覚しましたが、他人には悟られない程度でした。
2回目以降は、制御できるようにはなっていました。
参加者によっては、拡大鏡をつけると「震度7になる」と仰っている先生もいました。
解決する手段は以下の2点(+番外編)かなと個人的には思っています。
1つ目:吻合法に関して。
ご存知の通り、予選会では初めて出会う参加者同士と組んで、お互いが術者・助手の関係になって午前中に練習して、午後の予選会に望みます。
この午前中の練習で、
・いかに前立ちしてもらう先生に理解してもらいやすい吻合法にするか
or
・前立ちがいてもいなくても影響しないやり方を習得するか
が日頃の練習のポイントの一つだと思います。
ちなみに、イムス系の先生は後者です。僕は前者です。
2つ目:精神論。
肝心の手の震えに関しては、結局はある程度の場数が必要だったり、メンタルの強さだったりが影響してくるので、チャレンジャーズ以外の環境で他人に評価される環境に身を置くことが重要だと思います。
そういう意味では、先生の企画は若い先生たちに”気づき”を与える素晴らしい機会だと思います。
でも、この”気づき’’ってのも実際に他人の目に晒されて経験しないと、いくら我々が語っても理解してもらえないんです。
なので、予選会に出た事のない先生で、昨日の先生の動画を見た先生の中には、「自分は手が震えないから大丈夫だな」とか思っている人がいるかも知れません。
スポーツでも、いくら練習でうまくいっても、大会当日に本領発揮できる人とそうでない人がいるのと同じなのかなと。
番外編:βブロッカー
チャレンジャーズの予選会で話を聞いていると、何人かは必ず飲んできている人がいます。
でも過緊張による震えは、抑え切れてないようです。
以上、駄文ですが誰かのお役に立てれば幸いです。
ありがとうございます。手の震え、面白いテーマですね。