Team WADA学生インターンの生長ありさです。英国で看護師として働かれているRossi先生より、医療面接のご指導をしていただきました!

 

今回のお題は以下の通りでした↓

 

Setting: Emergency admission ward

Case card:

A 35-year-old male patient is found on the street by the Police and is very confused and physically very aggressive. On admission, you notice the man smells very strong of alcohol. The Police found his next of kin (his sister) and informed you that he was diagnosed with depression after he lost his job and divorced two years ago. His sister also knows that he drinks more than two bottles of wine and 1.5 litres of cider daily.

 

Task:

  • Please examine this patient and explain your treatment plan to him.

 

私が問診で得た主な情報は以下の通りです。

 

From the patient (very uncooperative)

・lives alone (doesn’t remember address)

・drunk just a little bit of beer(yesterday afternoon)

・no medication

・no past history

・doesn’t know why he’s in the hospital and wants to get freed

 

From his sister

・lost his job, his wife’s affair→started to drink heavily

・had really bad depression since unemployment

・cannot contact his two children or ex-wife

・tried to help him find a job but couldn’t because he wouldn’t listen

・used to be friendly and kind before addiction to alcohol

・probably homeless

・wouldn’t listen to any of his family members which is driving them crazy

 

問診を進めていると、患者さんが「なぜお姉さんがいるんだ」と不快感を訴え始めました。そこで、別室にてお姉さんからお話を聞くと、どうやら絶縁しているということが判明し、言葉に気を付けようとするあまり少しあたふたしてしまいました。

 

問診した情報をもとに、現時点では輸液や栄養療法を行い状態を安定させること、その後はアルコール依存症に対して生涯治療をしていく必要があること、将来ご家族のサポートや金銭的な援助も必要になるかもしれないことなどをお話しました。

 

英語力や実践力の不足から、スムーズに対応できない点も多々ありました。

1時間という短い間でしたが、ここで収穫できたものは一生モノです!

 

反省点

  • 一に信頼、二に信頼!

・いきなり問診を始めるのではなく、icebreak を通してまず患者さんと信頼関係を築くこと(Ex. What’s your name?だけでなく How can I address you? と一歩踏み込んで)

・今回は特に私情が複雑であることを考慮に入れ、どのように接すればより深く個人的な内容を話してもらえるか考える必要があること

・closed question ばかりでなく、open question で患者さんが話しやすいように配慮すること

 

➁ 治療計画は一緒に作り上げるもの!

・治療計画について、自分で考えたものはあくまでたたき台であり、患者さんの意見が加わって初めて成り立つものである

・患者さんが求めていそうな情報を上手く汲み取って提示し、本人にとって最善な治療法を自身で選択してもらう(orderとofferは違う)

・性別や文化的背景で助けを求めにくい事情などはないか注意する

・行政機関や専門の医療従事者、自助グループなど外部の援助も多数あることを伝え、自分の力だけで解決しようとしないように気を付ける

・患者さんの意欲を高めるための声掛けも必要不可欠

良かった点

・共感を意識して行い、患者さんとご家族の不安を和らげる言葉選びができた

・救急診察で必要な問診事項は比較的スムーズにとれた

・治療計画について大まかな流れはよく、長期のフォローアップで重要なコメディカルについても言及できた

・症状に応じて心理カウンセリングなどの心理社会的な治療を行えることもお話しできた

 

欧米での診察について

・身体拘束が基本的に禁止されているため、患者さんが暴れてしまう(病院から脱走‼)ケースはよくある

・care homeやnursing homeの仕組みや問題点について

・移民である場合の対処法も知っておく必要がある(国々に応じて)

 

“The good physician treats the disease; the great physician treats the patient who has the disease.”

 

というWilliam Osler先生のお言葉通り、患者さんに寄り添う医師になれるよう、日常的に初対面の方でも安心して話せるような丁寧な関係づくりを意識していこうと強く感じました。一緒にディスカッションに参加してくださったメンバーからの意見や質問も非常に勉強になりました。

 

このように、わたしたちは定期的に英国でご活躍されているRossi先生に医療面接を教えていただく勉強会をしております。医師役としてだけでなく、observerとしての参加もでき、様々なことを学ぶことができる貴重な機会です!ご興味のある方はいつでもご連絡ください!

 

ここまで読んでくださりありがとうございました!