先日は英語での医療面接勉強会の新年初回でした。Team WADA 学生インターンの運営で、毎週土曜日、University College London Hospital で病院看護管理職をされている Mayumi 先生のご指導の下、医師役が英語で問診をしその後フィードバックを頂ける形の勉強会です。英語だけでなく色々なものの見方や文化や制度の違いにも気づくことができるので、ありがたい機会だなと思います。ちなみに私は医学部卒後数年で、最近 OET 受験を考えはじめた者ですが、参加させていただいています。今回の症例は Nursing home に入っている 80 歳男性、数週間前に転倒し左ふくらはぎに受傷、看護師に処置をされたがその後は痛みを理由に dressingの交換を拒否、傷の治りが遅く創感染もしている、というものでした。事前にシナリオを頂けるので、糖尿病があったりするのかな、認知の問題もあるのかな、ふくらはぎに受傷って珍しいななどと思っていたのですが。話がすすむと、確かに糖尿病もあり、最初の処置が痛かったのがトラウマでその後も処置を拒否、お酒好きな方でかなり飲んでいる、というようなことも分かってきました。フィードバックも含めて今回印象に残ったのは、各人の QOL を尊重することと記録の大切さです。QOL に関しては、例えば過度な飲酒はよくないけれど、80 歳でこの後どれだけ時間が残されているか分からない。患者にどうしたいか聞く、本人がそうすることを選ぶならばそれを尊重するというようなことです。医師側が最善と思う治療も選ばない権利もあるわけです。もちろん問題がおこらないようにしっかり説明し経緯を記録しなければいけないし、本人に責任能力がないと判断される場合には法的に代理人をたてることになる、と。日本では良くも悪くもその辺りが曖昧になっている部分があるんだろうなと思います。提案した治療を拒否された場合、医師側からセカンドオピニオンを提案し患者を他医に紹介してはどうか?というのも少し新鮮でした。今まで実際拒否されたらそこで終わりにするケースしか見たことなく、そのような患者さんはセカンドオピニオンも拒否しそうな気もしなくもないですが、一つの選択肢としていいなと思いました。糖尿病治療に関して UK では病院でも糖尿病食のようなものがない、と知ったのも驚きでした。チョコレート食べたかったら食べてインスリンもすごい量打つ、と。食の QOL を重視する意味もあるし、家に帰って食事療法実践できないのであればより現実的なのかもしれません。国民性というか気質の違いというか… 面白いです。あらかじめシナリオが読めて考える時間があっても、いざロールプレイが終わると、あれも聞き忘れた言い忘れた、タイミング逃した、言い間違えた、どこまで関わったらよかったんだろう?、というようなことでいっぱいです。
実際 OET を受けるとなったら考える時間も短いし、どうなることやら…ですが。今年の抱負は、英語力の飛躍的な向上を夢見るのはやめて(笑)早めに受験しギリギリでも合格することです。