私のような例も珍しいのかもしれませんが、私は留学中に日本の大学院で学位を取得しました。留学前より大学院に所属し、論文提出を残して渡独しました。渡独後に執筆した論文をもって卒業論文とし論文提出や学位発表などの一時帰国を除いては(卒業式と学位授与には出席しませんでした)すべて遠隔操作でのりきりました。
ドイツでは学位の有無が大きく人々から(院内・院外を含め)の印象を左右するように感じます。まず院内のネームプレートには学位があれば「Dr.med」と記載されボスからの印象も違います。また保険・ネットなどあらゆる契約に際しMr, MrsにならびDr.を選択する欄が設けられます。
お給料に違いが発生するのかどうかはわかりませんがボスの心証が大いによくなることなども含め日本の学位をこちらで認定してもらう手続きを申請しました。日本で学位を取得後渡独される先生には参考としていただけるのかもしれません。
必要書類としては
①学位授与証書:日本語オリジナルバーション(大学院より発行)とドイツ語の翻訳(認証翻訳士さんに依頼)
②卒業証書:同上
でした。すこしややこしかったのは日本の「医学博士」をどのようにドイツ語に翻訳するかということでした。そのまま翻訳するならばまさに「Dr.med」となるのかもしれません。ドイツでは在学中にDr.medという学位を論文執筆により得ることが可能であるため大半の学生は義務ではないものの将来を見据えて取得することが多いようです。しかしDr.med≠Ph.Dではないというのが今回のポイントでした。こちらでは最終的に行きつくところは同じになることもあるようですが外国でのPh.DはドイツでのDr.medとはまた異なる資格という認識もあるようです。医学博士取得後の論文投稿の際には「Ph.D」を何の疑問もなく選択していましたが果たして自分が取得した医学博士をPh.Dと称していいのかどうか疑問を抱きました。
また自分のボスがDr.medではなくPh.Dをとったことにすこし感心してくれていたため一度は「Dr.med」と翻訳していただいたものをPh.Dと翻訳しなおしてもらうことになりました。
以下は学位認定に係るハンブルクの条項が記載された文書です。
080904 Druckfassung Allgmvfg v. 28.08.2008
現在は医務局での手続き申請を終え結果待ちです。認定されれば病院のホームページ職員欄の記載が変更、ネームプレートに記載されるという小さな変更が加えてもらえるはずです。
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