7. シミュレーターを世の中へ出す
ただ単に「作りたいものを作る」ためには、「作りたいもの」を「作ってくれる人」が存在すれば良いだけではありません。これが売れなければ、「作ってくれる人」は困ってしまいます。「いいものを作る」のは当たり前のことですが、ボランティアではありませんのでビジネスとしての側面が非常に重要です。
我々のMICSシミュレーターは、開発した株式会社ファソテックが医療界に販路を持つわけではありませんので、誰か(先生)+どこか(医療機器メーカー)と組む必要がありました。僕自身は外科医としては心臓外科専門医を取得したばかりのペーペーですが、学会等で発表を重ねるうちに幸いにして本研究はMICSのエキスパートの先生方に注目していただくことができました。最終的には田端実先生(東京ベイ浦安市川医療センター)に主導していただき、メドトロニック社主催、J-MICS(日本低侵襲心臓手術学会)公認いう形でのMICSのトレーニングが実現しました。
まずはハンズオンを開催する段階までようやくたどり着いた、という満足感はありますが、まだまだ改善すべき点がたくさんあります。今後本活動が永久に続くようなシステム(エコシステムと言います)自体の開発も望まれます。つまり、外科医にとっても、企業にとっても、学会にとっても、関わる人全てにwin-winとなる形を模索していくことです。
写真は田端先生・西宏之先生(大阪警察病院)監修、メドトロニック主催、J-MICS公認のMICSハンズオンの様子です。(写真に写っているのは僕ですが)MICSをさらにトレーニングするために各施設の若手ボス的存在の先生方が受講され高評価をいただきました。
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