Fachsprachprüfung

2017-05-11

昨日Fachsprachprüfungという医務局が課す医学専門語学試験を受験しました。以下私の受験した症例です。

この試験自体は①問診②筆記(紹介状を書く要領)③申し送り・Discussionからなります。ドイツ全州いずれも似たような形式をとってはいるのですが、州ごとに若干の違いがあること、試験自体が始まってまだ2年とたっていないこと(バイエルンはつい先月)から受験者である外国人たちの間でかなりのカオスとなっています。

55歳男性。主訴:血痰。以前から咳が続いており、咳にともなう胸痛、左肩痛をみとめていた。昨晩血痰を認めて心配になり夜も眠れず受診。既往歴として2年前にMIでステント留置、慢性気管支炎。家族歴に父:心筋梗塞で死亡、母:乳がん。喫煙歴2箱/day。一人暮らし。

 

一番疑わしいのは肺癌として話をきいていると、患者さんが肺癌だったらどうしようとパニック。続いて急に母親登場(横に座っていた試験官が急に母となり登場)。55歳の息子になにやら過保護。入院することになったら自分も一緒につきそうと言ってきかない。お見舞いにきてくれるのは大歓迎だし、病院でしっかり面倒はみるから安心してねと伝える。

一番心配だったのは上級医とのDiscussionであるパート③.今回の試験官の先生はむこうから「これはどうですか。あれは?」と質問形式だったのでやりやすかった。問診内容を一通りはなし、自分の診断と、鑑別、とりあえずの検査プランを伝える。もちろん試験官は問診も同席していたので私が聞き忘れていたことはすかさずついてきます。アスピリンを何錠どんなタイミングで飲んでいたのか、高血圧・脂質異常症の既往はあるのか(今回の血痰とはあまり関係ないと思い無意識にきかずスルーしていた)など。週に一度教わっていた家庭教師の先生から「聞き忘れたりわからないことは決して突っ込まれても(うそをついてでも)ネガティブな答えはしないように」とアドバイスされていたので、「聞いてないですけど、患者さんのかかりつけ医にお薬リストを送ってくれるように連絡しました」と答えてなんとか切り抜けました。途中で結局レントゲンから肺癌疑いであると上級医(試験官)に伝えられ次のプランを問われます。CTで転移巣も含めてスクリーニングし、確定診断の為、気管支鏡で検体を採取、治療プランに関しては呼吸器内科にコンサルと回答。医学知識は問わないことがこの試験の大前提ですが、試験官からは「肺がんの頻発部位はどこか」などと聞かれました。腺がんや小細胞がんなどといった名称が頭からすっかりとんでしまっていたので適当にBifurcationのところと嘘か本当かわからないまま答えました。最後に試験官からこの症例はPancoast腫瘍ですといわれ、そういえば習ったことあります…と。答えはわからなくてもとりあえず何か質問に答えること、質問がわからなければ「こういうことですか?」と聞き返すこと、点数が上がりそうな箇所(患者さんや家族に真意や同情をみせること)で稼ぐことが点数に響く結果となったのかと思います。振り返るとたくさんたくさんぼろがでてきて不安で一晩過ごしましたが、本日ようやく合格通知。とりあえず胸をなでおろしています。

ドイツに留学されているもしくは留学予定の先生で資料など必要な方はご連絡ください。個人的にご回答させていただきます。アドバイスをいただいた先生、応援してくださった先生方に感謝

 

 

コメント

  • 匿名 2018-04-02 at 5:59 PM

    はじめまして。ドイツ語学留学を開始したものです。勉強法、試験等、道筋、御教示頂けたら幸いです。

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