ザンビアの心臓外科医

2019-04-29
徳島県吉野川市のNPO法人TICO(Tokushima International Cooperation)で活動を行なっている医師の松村武史です

この度はブログに掲載していただけることになりありがとうございます

TICOは医療法人さくら診療所の理事長である吉田修医師が途上国で活動を行ったり、将来国際協力を担う人材の発掘や育成を行うため1993年に設立し、現在までアフリカのザンビアやアジアのカンボジアで国際協力を行い、徳島県内で講演やセミナー、合宿などを開催してきました。

私は2017年からTICOの活動に参加しています。私のプロジェクトはザンビア心臓血管外科手術技術移転事業というもので、ザンビア人心臓血管外科チームを育成することを目標に、現在まで4回の渡航を行なっています。

活動場所は首都ルサカにある唯一のLevel3病院であるザンビア大学付属教育病院(UTH)で、海外から雇われた心臓外科医チームがあるものの諸事情で年間数例の小児心臓手術を行うのみで、機能しているとは言えませんでした。

しかしアメリカの製薬会社がボランティアで心エコーを持ち込み、先天性心疾患の手術症例を200例以上見つけ出したことと、2019年1月からザンビア人による冠動脈造影が始まり、今後成人症例が出てくること、インターネットの普及により医療に関しての情報も簡単に得られることなどで、ザンビア人による心臓血管外科手術の必要性が高くなっています。

そこで私たちは、ザンビア人外科医4名、手術室看護師2名、体外循環士1名を集中してトレーニングすることになりました。講義やWetLaboから開始して、PDA4例、ASD5例、ペースメーカー植え込み1例現在までに行いました。現在までの渡航で、人工心肺を確立し、手術室やICUをアレンジできたと思います。今後症例を増やし、手術の種類も増やし、いずれはザンビア人スタッフだけでコンスタントに手術ができるように協力していきたいと思います。

海外で医療に携わって感じたことは、ザンビアも日本も患者さんは同じ、みんな元気になりたいと思って毎日を過ごしています。ただ生まれた場所が違うだけなんです。ザンビアだけでなく世界中の人々が同じように医療が受けられるように、今後も活動を続けたいと思います。

また、日本の心臓血管外科医やコメディカルの中には海外協力したくてもできない方がたくさんいらっしゃると思います。そういった方にも、色々なしがらみに負けず国際協力ができるように、例えば、夏休みなどの長期休暇で参加していただくなど、お手伝いができればと思います。私自身、国際協力に集中するために医局を退職していますので、ほかの方々には日本での仕事と国際協力を両立して欲しいと思います。

私たちの活動に興味がありましたら、ゼひホームページご覧ください。

http://www.tico.or.jp/

ご一読ありがとうございました

特定非営利活動法人TICO

医療法人さくら診療所

松村武史

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