渡米時に入国審査をデトロイトで受けた時のことです。
学生なのでFビザで入ります。パスポートにはFビザを示すシールが貼られているので入国は問題ないだろうと自信満々にパスポートを提出しました。
入国審査官(以下入):こんにちは。パスポートと必要書類出して
私:(ドヤ顏でパスポートのみを提出)
入:これだけ?I−20は?
私:I−20ってなんですか?パスポートにFビザスタンプがあるよ。これで十分でしょ。
JビザだとDS2019という書類に相当するのがI-20、基本パスポートとセットで提出を求められるものなんですが、そんなこと露知らず、パスポートしかもってきてなかったんです。あとからわかった話ですが、場合によっては入国を拒否されることもあり、13時間かけて日本から飛んできたのに、即刻とんぼ返りする可能性もある重大なミスでした。たしかに、まわりの人なんかたくさん書類持ってたな。あれってそういう大事なやつか。みんな心配性なだけで大げさというわけじゃなく、わたしがアホだったんだな。
入:I-20がないと入国は認められない。本当にどこにもないのか?
私:・・・日本の家においてきたような気がします
入:なんでそんな大事なのものを忘れてくるんだ!?ガッデム!(見た目が蝶野さんみたいでした)
とても緊張感のある雰囲気になり、蝶野入国審査官が険しい顔でトランシーバーで会話しはじめ、どこからともなく屈強入国審査官その2が出現し、とある小部屋に連れて行かれました。小部屋にはいかにも怪しそうなアジア人や東南アジア人、アラブ系人もあり、平和ボケした日本人には完全に場違いな場所でした。どうやらその部屋は入国時に審査官が「こいつ怪しいな」と思ったら入国を引き止めて調査するための部屋でした。なので雰囲気がぴりぴりしていたのです。となりに座っている中国人がケータイをつかっていたら、なにもそこまで怒らなくもいいぐらいってくらい空港制服を着た男性がブチ切れまくってピリピリしていました。
また、斜め前のアラブ人は審査官にどうして入国可能日の2週間も前に入国しようとしているのだと詰問されていました。
入:どうして俺たちの国に入りたいんだ?まだ入れる時期になっていないだろう。え?(この時点でちょっとキレてる。ストリートファイターのガイル似)
ア:ボクは学生で、学校の準備をするために
入:そんな目的で2週間も早く来る必要があるのか?(怒りに拍車がかかっている)
ア:家を決めたり、車とか生活を整えたりするのに時間が必要だと思ったからです。
入:そんなに時間いらないだろ!!!(机をバンと殴打) お前そもそもちゃんと立って俺の目を見て会話しろ!!!
こんな状況だったのでもう正直に終わったなと絶望しておりました。飛行機乗り換えに間に合わないどころか、家族と涙ながらに分かれてきたくせに、たった1日程度で出戻るはしたない娘になるし、そもそも13時間も飛行機で腰と首がバキバキでもげそうなぐらい痛いのにさらに13時間ぐらいかけて戻ることの精神的身体的苦痛を想像していました。
放置されること1時間。ガチで飛行機乗り換えが間に合わない時間が近づいてきたところで、突如私の名前が呼ばれ、審査官と簡単な面接をして、怪しい人ではなく、ただのまぬけだとわかってもらえたところで、奇跡的に入国が認められました。ちなみに、この時の審査官はマイルドでした。
そのあと、速攻でI20を送ってもらいました。留学される場合は必ずI20(DS2019)を忘れずに携行してください。しくじり先生でした。
伊藤 拝
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