19 #どれだけのミスをしたかを競うミス日本コンテスト

2019-04-04

こんにちは。旭中央病院心臓外科の田中です。
大学生の時に友人とタイに旅行に行った時に騙された話です。
タイの王宮を見学しようと訪れると、制服のような服装をしたタイ人に英語で声をかけられました。
「僕は王宮の職員なんだけど、すまないが今はお祈りの時間で地元の人しか中に入れないんだ。変わりに地元の仏像があるところを紹介するよ。あーそうそう、あと今日はタイファクトリーっていうタイシルクのスーツが有名なお店が特別にやってる日だからそこも是非行った方がいいよ。僕がトゥクトゥクで安く回れるように交渉してあげるよ」
あとで振り返ると、この時点で胡散臭さしかないのですが、制服を着てIDカードもぶら下げておりそれっぽい雰囲気であることに加え、こんな入場口に近いところで警察もいるし、偽物ってことはないだろうとなんとなく真に受けてしまいました。
その男はすぐに流しのトゥクトゥクをつかまえて、我々の地図に書き込みしながらこことここの仏像と、タイファクトリーに行ってくれと運転手に伝えていました。
するとトゥクトゥクの運転手も「君達はラッキーだ。今日は特別にタイファクトリーがやってる日なんだ。カシミアが有名で安く手に入るんだ。」と我々に言ってきました。
そして何となく予定も無かったのでトゥクトゥクに乗るとまずは地元の寺院のような場所に連れて行かれました。
そこそこ大きな仏像がありましたが、観光客は自分達以外誰もおらず、この時点でかなり怪しいです。
何となく写真を撮ったりしていると、中肉中背の男が寺の中から現れ、英語で声をかけてきます。
「ハロー。君たちは観光で来たのかい。そうか日本から来たのか。僕は外資系の会社に勤めていて、昔日本で働いていたこともあるんだ。今日は休みだから、仏像にお祈りにきたんだよ。」
といった調子でにこやかに話しかけてきました。
その男はやたらと国際情勢や最近の日本のことについて詳しく、終始こちらの緊張をほぐすように世間話をしていました。
そして最後に、「そういえば次はどこに行くのかい。その地図を見せて。おータイファクトリーに行くのか。それはいい。実は僕も数日前タイファクトリーで数着タイシルクのスーツを仕事用に買ったんだ。すごく素材がいいから、是非立ち寄って買った方がいい。」と勧めてきました。
そしてそのおっさんと別れを告げ、トゥクトゥクに戻りいよいよタイファクトリーに向かうことに。
この時点でここまで登場した3者の関連性を全く見出せず、今思うとただの間抜けですが「タイファクトリーまじ半端ねー」とかなり盛り上がっていました。そして満を持してタイファクトリーに到着しました。
そこは小洒落た感じのお店で、きちんとタイファクトリーの看板もあり中にはカシミア製と言われるマフラーやネクタイ、スーツがたくさん展示されていました。そして店内には僕と友人の他にも同様の手口で連れてこられたと思われる観光客が何組かいました。
店員にやたらとスーツを勧められましたが、流石に6万円のスーツをいきなり買う気にはなれず、結局1枚5000円のマフラーを3着購入しました。友人はマフラーを1着購入していました。中にはスーツを試着し、購入している人もいました。
これはいいお土産ができたと満足気に店を出たところ、トゥクトゥクの運転手に何を買ったのか聞かれました。
マフラーを購入したことを伝えると、すごく嬉しそうな顔をしていたのが印象的でした。
また王宮まで戻り、所定の価格(格安)の運賃を渡すとそのまま運転手は去って行きました。
そして今度はきちんと王宮に入って観光をしました。
しかし王宮を観光し終えて、帰る際に最初に声をかけてきた自称王宮職員が自分達と同じように他の観光客に声をかけているのを発見し、流石にここで不信に思いました。
ホテルに戻り地球の歩き方を見ると、はい騙されました。きれいに騙されました。
バンコクで横行している有名な詐欺の手口だそうです。予め情報を収集していかないと分からないくらい巧妙に仕掛けられており、騙された怒りよりむしろ感心してしまいました。
海外で笑顔で声をかけてくる輩に決して気を許してはならず、旅行前には事前に十分な下調べが必要という教訓を身に染みて感じました。
皆様もお気をつけください。しくじり先生でした。

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