テレフォンショッキング vol5

2017-07-19

皆さま、初めまして。内藤 敬嗣(ないとう のりつぐ)と申します。6月の北原先生のブログで登場したお坊さん先生です。

僕は7月からアメリカのピッツバーグにあるカーネギーメロン大学(CMU)で研究をしています。美味しそうな名前ですが、ニューヨークのカーネギーホールで有名なアンドリュー・カーネギーが創設したカーネギー工科大学とアンドリュー・メロンが創設したメロン工業研究所が合併して出来た大学で、アメリカでは名の知れた大学です。アートの面でも有名で、エミー賞やトニー賞受賞者を多数輩出し、アンディ・ウォーホルもこの大学の卒業生です。医学部はなく、当然大学病院もありません。僕はDepartment of Biomedical Engineeringに所属して、重症呼吸不全患者の長期補助装置、Destination therapy (DT)として使用できる機器の研究開発に携わっています。重症心不全患者に対しては補助人工心臓を心臓移植までの橋渡しとして使用することができ、最近は日本でも移植適応とならない患者に対するDTの治験が始まりました。しかし、重症呼吸不全患者に長期間安定して用いることができるデバイスはまだなく、早期の臨床応用が望まれます。自分の行なっている研究が今後多くの方のためになることが大きな目標です。これまで、東京大学病院で補助循環や心臓移植の臨床に携わり、国立循環器病研究センターで補助人工心臓の研究を行ってきました。ゆくゆくは、心臓・肺移植とそれに関連する人工臓器の臨床と研究を専門にしたいと考えています。
研究室での生活は始まったばかりですが、同僚は非常にフレンドリーで楽しく過ごすことができています。学部学生、大学院生を含めて20人以上の大所帯です。若い人が多くて非常に刺激になります。学部学生もモチベーションが高く、夏休み中でも普通に研究室に来て実験しています。卒業後にはmedical schoolに入ろうとしている人も結構います。特に驚くのが彼らのプレゼンテーション能力です。彼らから学ぶことは多いです。一方で、昼食休み中は若い学生らしい会話をしていて、おじさんの僕にはついていけないこともあります。
来週からはウサギやヒツジを用いた動物実験が始まります。CMUには動物実験施設もないため、近くのAllegheny General Hospitalの施設を使って実験をしています。研究期間は1年の予定です。研究期間としては短いですが、多くのプロジェクトがあって充実した生活を送ることができそうです。

1年間の研究後には、アメリカでクリニカルフェローとしてトレーニングを積みたいと考えています。UMLE Step 3まで取得しておりますので、あとはポジションが得られれば、、、と言う状況です。なんとかアメリカに残ることができるようにしたいです。先行きは不透明ですが、自分が最終的に成し遂げたいことを見失わずに、できるだけブレないように進んでいけたらと思っています。
長くなりましたが、読んで下さった方、ありがとうございます。また、この場を提供して下さった廣本先生、北原先生に御礼を申し上げます。

次の方はまだ決まっておりませんが、心臓外科医以外(医師以外?)の方にお願いしようと考えています。

 

キャンパスの様子。この道を奥まで進むと所属の研究室があります。

 

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