日本国内と国外における身分の話

2018-01-02

あけましておめでとうございます、Thomas Jeffersonの大平です。

私は日本にいる時に市中病院と大学病院の両方で勤務したことがあります。一般的に研修医を終えると市中病院では専攻医、シニアレジデントなどという身分を経て、医員、副医長、医長などといった身分を経ていきます。一般的に医員以上は待遇という面においても正規職員ということになるのかと思います。大学では助教(昔で言う助手)以上が正規職員・スタッフという立場になり、僕が所属していた施設では、スタッフが最低一人は手術室内にいないと手術をできない規定になっていました。もちろん緊急はその限りではないと思いますが。待遇といった点で正規職員はいわゆるボーナスだったり、交通費が出たり、住居費が出たりということが違いになり、専攻医では退職金も出ないといった具合です。お金は全てではありませんが、派遣職員でもボーナスでるかもしれない時代に恐ろしいことですよね。アメリカではResident、Fellow、InstructorやClinical associateといった身分と、いわゆるAttendingの間には責任、待遇の面で文字通り天と地以上の差があります。おそらく給与という点でも5-10倍はもらっていると思います。まず私がカルチャーショックだったのは、手術の同意書を取る際に自分の名前を医師の欄に書いていたのですが、とあるAttendingに「君は法的に責任を取れないから僕の名前を書いてね」と言われたことでした。あとAttendingのことを”Surgeon”とこちらでは表現します。つまり北米では”Surgeon=外科医”で、自分は文字通り外科医ですらないのかと愕然としたことを今でもはっきりと覚えています。おそらく日本では多くの先生が専攻医の身分で主治医もして、指導医となるべき部長や副部長クラスの先生がおられるものの、深刻なムンテラや診断、決断などかなりの裁量を任されている(任さざるをえない状況)と思いますが、アメリカではAttendingが日本で言ういわゆる主治医と同等の感覚であり、例外はあるかもしれませんがKeyとなる説明などは必ずAttendingが行ないます。おそらく北米でFellowやResidentをした人が必ず一度はAttendingとそれ以下の身分の壁を感じたことがあると思います。新人Attendingも楽ではありません。レベルもピンキリだと思うのですが、独り立ちするという心持ちでI-6やFellowをやっていないと、幾ら何百例術者の位置に立っても目の前から指導医がいなくなった時に手術の適応、プランニング、術中判断、術後の方針決定など自分でできないと思います。自分で考える、判断する癖がないとカーナビ(指導医)が無くなったときに目的地に行けないのに少し似ているかもしれません。それは日本でのトレーニングでも同様だと思います。最近感じていますが独り立ちに際してHands-onと同等、もしくはそれ以上に重要な因子かもしれません。

日本人fellowの大多数である我々non-categorical IMGにとってはHands-onや経験の観点で満足できれば日本に帰るのか、それとも敢えて厳しい道を覚悟でAttendingのポジションを求めてもがくのかは個人それぞれの考え方次第だと思います。もちろん自分を取り巻く家族の生活や、子供の教育など様々考慮しないといけない点はあると思うのですが、留学後に出会う最も大きな問題としていかに独り立ちするのかという点がよく話されると思うので今回記させていただきました。

フィラデルフィアでは先日、若手心臓外科医の会Philly支部の忘年会(仮称:定員6名)が行われました。5名が参加し盛況な会となり、シカゴに負けない盛り上がりを見せています。アメリカ国内、国外を問わず訪問される機会があればぜひお待ちしております。

コメント

  • Takebe 2018-01-02 at 11:14 AM

    ペンシルバニアではもうアテンディング以外、同意書がとれなくなるルールができて、面倒ですよね。
    某先生が100倍もらってるのを聞いて、正直引きましたけどね笑笑

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